「英語学習が続かない人」に教えたい練習法 リスニング力向上にはシャドーイングを

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次の3つのツールを使うと、通勤時間も「シャドーイングタイム」に変えることができます。

(1)マスク

(2)Bluetoothイヤホン

(3)音声再生アプリ

マスクは口を隠すために使います。電車内でのシャドーイングは声を出さずに口だけを動かして行うのがお勧めですが、口が動いているのを見られるのが気になる、という人もいるでしょう。その場合にマスクを使えば、口元も隠せますし、少し音が出てしまっても、周りに気づかれにくくなります。

Bluetoothイヤホンは、特に混雑している電車内で、音声を再生するスマホをバッグの中に入れたまま、イヤホンのコードを気にすることなく音声を聞くのに最適です。小型の片耳イヤホンであれば、イヤホンをしていることも気づかれないほどになります。通勤車内だけでなく、家でも、スマホから少し離れて動きながらシャドーイングをするとき、ストレッチや筋トレをしながらするときなどにも大活躍です。

英語を「モノにする人」の学習法

3ヶ月で英語耳を作るシャドーイング』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

音声再生アプリは、スピード変更ができ、AB間再生ができるものを使いましょう。難しすぎる場合にスピードを遅くして聞いたり、特に言いにくい部分をAB間再生でリピートして使うことで、だんだんシャドーイングができる部分を増やしていくことができます。おすすめの音声再生アプリとしては、Audipo(iPhone, Android用ともあり)、mimiCopy(iPhone/iPad用のみ)などがあります。

シャドーイングは、とても地道なトレーニングです。繰り返し、繰り返し、同じ音声を聞いて追いかけて、言えなかったところを集中的に練習して、少しずつ言えるようにしていきます。何十回も、ときには何百回も同じ音声を聞いてまねする練習をしていきます。とてもスマートとは言いがたい方法です。でも、これがリスニング力アップに絶大な効果を発揮するのです。

そして、私が今まで見てきた、日本で働きながら高い英語力を身に付けた人に共通するのは「そこまでやるの?」と言われるほどやっている、ということです。大抵の人は「そこまでやらなくても、いつか英語力は伸びるよね」と思っています。そんな中で「そこまでやる」人だけが実は伸びるのです。

シャドーイングを早く始めれば、効果が出るのも早くなります。私自身、何年も英語学習で放浪した後にシャドーイングに出合い、「もっと早く出合いたかった!」と思いました。「英語学習がどうしても続かない」という人は、シャドーイングを試してみてはどうでしょうか。これが、「続く→効果が出る→楽しい→続く」というサイクルにつながるかもしれません。

谷口 恵子 AI活用コーチ・英語学習コーチ

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たにぐち・けいこ / Keiko Taniguchi

2002年東京大学法学部卒業。日本オラクル株式会社(米国Oracle Corporationの日本法人)にてサポート部門エンジニア、IR(投資家対応)を担当。2008年からソニー株式会社にて調達部門の危機管理、取引先企業の経営分析を担当。2013年よりプチ・レトル株式会社 CDO(Chief Dreaming Officer)兼英語学習コーチとして活動中。ストアカ講座、オンラインスクールのschoo、企業研修などを通じて、2017年1月までに累計5700人に教える。ストアカ プラチナ・ティーチャー。『3ヶ月で英語耳を作るシャドーイング』(プチ・レトル)、『AI英語革命』(リチェンジ)など著書多数。

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