「英語学習が続かない人」に教えたい練習法 リスニング力向上にはシャドーイングを

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(1)効果が実感しやすく、達成感を感じやすい

(2)教材が手に入りやすい

(3)いつでもどこでも、ちょっとしたスキマ時間でもできる

たとえば、リスニング力を伸ばしたい人の多くがやっている「英語の音声をひたすら聞く」というのが続きにくいのは、(1)の「効果が実感しやすく、達成感を感じやすい」という条件に当てはまらないからです。ただ聞いていても、リスニング力が伸びているのかどうか、よくわかりません。そして、何をゴールにすればいいかも、わかりづらいですよね。

リスニング力アップに適した「シャドーイング」

この3つの「続けやすい」条件を満たし、特にリスニング力を伸ばす方法としてお勧めなのが、「シャドーイング」です。シャドーイングとは、英語の音声を聞いて、そのすぐ後をまねして話していくトレーニング法です。準備段階では英文の文章を見ても構いませんが、最終的なシャドーイングでは、音声だけを聞いて追いかけます。もともとは、通訳者の基礎訓練法として長年使われてきた方法ですが、一般の英語学習者でも、使う教材のレベルを難しすぎないものにすれば、十分使える方法です。

では、シャドーイングはなぜ続きやすいのでしょうか。

まず、初めてシャドーイングをしたときにはまねできない部分がたくさんあっても、だんだん言えるようになる部分が増えて、最終的には全部ができるようになっていきます。そして、当初聞き取れなかった部分が、シャドーイングができるようになったときには聞き取れるようになっている、という変化を感じやすいのです。

次に、音声と英文さえあれば、どんなものも教材として使えます。いきなり英文を見ないでシャドーイングをすることもできますが、それだと、知らない単語や、聞き取れない単語が出てくる可能性があるので、英文を見て、何を言っているかをしっかりつかんでからシャドーイングをするのがお勧めです。

TOEICのスコアを上げたい方は多いと思いますが、もちろんTOEICの問題集も使えます。NHK「ニュースで英会話」や、VOA Learning English、TEDのスピーチなども使えます。また、英語字幕と英語音声のある映画やドラマを使うこともできます。このように、自分の興味・関心、その時々の気分に合わせて、好きなものを使うことができるのがシャドーイングの特徴です。

シャドーイングはいつでもどこでも、ちょっとしたスキマ時間でもできます。密度の濃いトレーニングのため、ただ英語を聞き流すよりも速くリスニング力をアップすることも望めます。ホームで電車を待っているとき、電車に乗っているとき、お風呂に入っているとき、料理をしているとき、寝る前にストレッチや筋トレをしながら……。そんなちょっとしたスキマ時間でもできるのです。

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