麻生氏は、なぜこうも”お粗末”なのか グローバルエリートが麻生副総理に喝!

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麻生氏の強み、日本社会への付加価値とは何か?

ちなみに麻生氏ならではの貢献や、麻生氏だからこそ社会のためにできることは、「麻生氏が口をつぐむこと」以外に思い浮かばないのだが、麻生氏が政治の中枢に居続けることの日本社会にとっての付加価値は何なのか、まさに“世界ふしぎ発見“モノである。

香港で昼食のディンサムを食べながら考えていた時、いつもながら無愛想な店員の表情を見て思いついたのだが、一つ麻生氏ならではの強みがあるとしたら、“チャーミングな笑顔”でないか。これは石原慎太郎氏とも共通するのだが、言動はめちゃくちゃで国益を毀損する失策をひたすら続けているのだが、笑顔だけはチャーミングなのだ。笑ってる場合じゃないだろう、という気もするのだが、実際の資質や言動への悪印象を和らげるため、笑顔だけは真面目にトレーニングなさったのだろうか。

ただ有権者の皆様におかれましては、見せかけの笑顔や“漫画好き”、べらんめぇ口調などのどうでもいい理由や印象で支持するのではなく、日本を代表する頭脳や品性といったまっとうな理由で政治家を支持していただきたい。どんな理由で判断するかに、自身の知的レベルが反映され、それが選ばれる政治家の知的レベルを決めるのだから。

麻生氏の今回の発言と責任なき幕引きは、実は麻生さん自身の深刻な欠陥を物語るのみならず、なぜ日本ほどの大国に、この程度の政治家しかいないのか、というより本質的な問題を突きつけている。

金持ちでも“天才”でいられる秘訣とは

麻生さんのように金持ちと政治家に囲まれた極めて恵まれた環境に育ちながら、これだけ品と知性がない人物に見えるのは、それはそれで世界ふしぎ発見のネタになるのだが、今回のナチス発言のようにユダヤ人社会や欧米社会からも唾棄されるような失言で国の威信を傷つける麻生氏は、国粋色の強い右派やネトウヨの皆さんからも見放されていいレベルだと思うのだが、いかがだろう。

橋下氏にも共通しているが、自分が話している内容が国際的にどう重大に受け止められるか、というセンスがこれだけ長年政界にいても欠如しているのだから、これはある意味天才である。

経済政策に関しても、セメントで稼がれたご実家の影響だろうか、財政拡大のハナシをなんやらの一つ覚えみたいにしている印象がある。確かに財政拡大で公共投資を高めれば建設業界やセメント会社に国民のお金が移動するので、御周辺のセメント業界は潤うだろうし、ご自身への支持基盤は固められるだろうが、その他への影響に対する深慮遠謀のなさは、ナチス発言に対する浅はかさとの共通点を感じる。

私は人をバカだというのは好きではないし、個人がバカなのは罪ではないが、一国を代表し、指導し、国益を増進する立場にある人間がバカであるのは犯罪だと思っている。

麻生氏は犯罪的失言を直ちにやめ、日本のためにご自身だからこそできる付加価値は何なのか真摯にお考えになられることをお考えいただきたい。そしてその答えが賢明にも私の仮説である“口をつぐむこと”であれば、自主的に恥を知って公職をお退きいただき、秋葉原で漫画を読むなり、ご自宅で漢字を勉強されるなり、ご自由に余生をお楽しみいただきたい。

ムーギー・キム 『最強の働き方』『一流の育て方』著者

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Moogwi Kim

慶應義塾大学総合政策学部卒業。INSEADにてMBA取得。大学卒業後、外資系金融機関の投資銀行部門にて、日本企業の上場および資金調達に従事。その後、大手コンサルティングファームにて企業の戦略立案を担当し、多くの国際的なコンサルティングプロジェクトに参画。2005年より外資系資産運用会社にてバイサイドアナリストとして株式調査業務を担当した後、香港に移住してプライベート・エクイティ・ファンドへの投資業務に転身。英語・中国語・韓国語・日本語を操る。著書に『世界中のエリートの働き方を1冊にまとめてみた』と『一流の育て方』(母親であるミセス・パンプキンとの共著)など。『最強の働き方』の感想は著者公式サイトまで。

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