ジャパネット髙田明「できる理由を考える」 猛反対された生放送テレビショッピング

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特にパソコンは過当競争の時代で、各メーカーが年に3回か4回、新型を売り出していました。番組制作には収録から完成までに1カ月以上かかります。テレビ局には放映の2週間前くらいには納品しないといけませんから、収録から放送まで2カ月弱の時間が経過してしまいます。そしたら収録したときには新商品でも、放送のときにはもう新商品じゃないんですよ。とにかく遅い。自社のスタジオを作って番組の制作も自前でやればもっと速くできる。そう思って決断しました。

自社スタジオ建設で機動的な番組制作が可能に(写真提供:ジャパネットホールディングス)

スタジオ建設にはもうひとつ大きな理由がありました。CS専門チャンネルです。地上波は枠を買うだけですけど、CSなら休みなく24時間放送ができます。これは面白いと思いました。それで、スタジオ建設を決断したのと同じころ、当時の郵政省にCSデジタル放送委託業者にしていただけるようにお願いに行っていました。

幸い、許可をいただくことができました。それはよかったのですが、2001年の3月末から放送を開始するというのが条件でした。専門チャンネルを持つからには、生放送は絶対にやりたいと思っていましたし、開始まで半年ほどしか猶予がありませんでしたから、お尻をたたかれるような形で、大急ぎでスタジオの建設に取り掛かりました。

できない理由ではなく、できる理由を考える

自前のスタジオを作って、番組制作も自社でやると言ったら、周りから猛反対されました。特に、制作の難しさを知っているテレビ局の人からは絶対に無理だと言われました。スタジオは作れたとしても、スタッフはどうするのか。カメラマンは10年で一人前になるといわれているのに、できるわけがないでしょうって、言われたんです。

私は何とかなると思いました。できない理由を考えて、できないと決めてしまったら、それでおしまいですけど、やると決めたら、そのための課題が見えてくると思っていました。

とにかく、社内から若手10人を選んで東京に研修に派遣しました。短期間でキャリア10年の方のようにできるようにならなくても、放送事故を起こさないで放送できるぐらいのレベルにはできるんじゃないかと思っていました。

ところが、テレビ関係者の人が異口同音に言われていたとおり、3、4カ月の研修では番組が作れるまでのレベルにはなりませんでした。年末に研修から帰ってきた社員は、自分たちだけでやるのは無理だと口をそろえました。それでもCS放送のスタートは目前に迫っています。なんとかするしかないでしょう。あと3カ月。さあ、どうしようって、ですね。

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