ジャパネット髙田明「私が引退を決めたワケ」 若手の「熱意と粘り」が本当に嬉しかった

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私に反対されてもあきめない熱意と粘りが、うれしかった(撮影:大塚一仁)
日本一有名な通販会社、ジャパネットたかたの創業者、髙田明氏は、2015年1月に社長を退任、2016年1月にテレビショッピングからも「引退」した。
自身の経験や考え、行動の指針など、社員に伝えてきたことのエッセンスをまとめた初の自著、『伝えることから始めよう』では、「自らの確信とは何か」を自問した結果、社長退任の決断につながった経験を語っている。若手が提案する「チャレンジデー」企画に、髙田氏は当初は猛反対していたというのである。

「背水の陣」を敷いた2013年度

『伝えることから始めよう』(上の書影をクリックすると、アマゾンのページにジャンプします)

2013年はジャパネットたかたにとって「起死回生」の転機となった年でした。

前年までの地上デジタル放送対応テレビの特需の反動減で、ジャパネットたかたは、2011、2012年と2期連続の減収減益に陥りました。2012年末、私は「2013年度に過去最高益更新という目標が達成できなければ社長を退任する」と宣言、背水の陣を敷きました。

この目標に社員は驚いたと思います。「退任宣言」には、もっと驚いたでしょう。それくらいの覚悟を示さないと、現状を突破する社員の本気と覚悟を引き出せないのではと思ったのです。社内に衝撃が走りました。私の本気度が伝わったに違いありません。

一つひとつの商品の売り方、伝え方、提案を見直して、少しずつ積み上げていこう。テレビだけではなく、お客さまに喜んでいただける商品を発掘して、どんどん提案していこう。サービス向上でできることは何でも変えていこう。

こうした原点回帰が功を奏し、ジャパネットたかたは、2013年12月期決算で過去最高益を更新することができました。目標が達成できたことで、このときには私が「社長退任」することはありませんでした。

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