ジャパネット髙田明「私が引退を決めたワケ」 若手の「熱意と粘り」が本当に嬉しかった
ところが、提案した彼らはあきらめませんでした。社長の私がノーと言っているのに、それでもまた提案してくる。再び私は却下する。社長室に何度もやってきて、別の会議中にもまた蒸し返されて、「もうその話はいいじゃないか」と声を荒らげたこともあります。「またその話か」と席を立ってしまったこともありました。
誰に似たのか、それでも彼らは粘りました。そして、私のほうがとうとう折れました。根負けして「そこまで言うなら、赤字覚悟でやってみて」と伝えました。
猛反対したチャレンジデーが大成功
私ではなく、現社長を中心とした若い社員たちの発案の企画です。これには全社が結束しました。彼らが選んだ商品はダイキンのエアコンでした。実施日は7月13日と決まりました。私はそんなことは気にもしませんけど、13日の金曜日で仏滅でした。

そして、その日を迎えました。初めてのチャレンジデーの日です。不安と期待が入り交じった気持ちでいましたが、始まれば全力モードに切り替わります。これ以上できないほど気力を振り絞って生放送に臨みました。
予想をはるかに超える注文の電話がかかってきました。受付終了の午前零時まで電話が鳴り止まない状況が続き、みんな生き生きとして仕事に取り組んでいました。
赤字を覚悟していたぐらいですから、これほどの大成功はまったく期待していませんでした。不徳の致すところです。若手が企画し、私が反対した企画が大当たりしたんです。この成果はジャパネットたかたの歴史に残ると思いました。
以後、マッサージチェアや電子辞書、ダイソンのクリーナーなど、いろいろな商品でチャレンジデーを行い、業界の常識を覆すような実績を積み重ねています。今では「次はなんだろう」とお客さまにご期待いただける名物企画になっています。
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