ジャパネット髙田明「私が引退を決めたワケ」

若手の「熱意と粘り」が本当に嬉しかった

2013年度の最高益達成に大きく貢献してくれた商品や取り組みの中には、私が主導したものではなく、社員たち自らが企画立案したものが多々ありました。

そのひとつが、今も続いている「チャレンジデー」です。ひとつだけの商品を1日限り朝から晩まで一日中、お値打ち価格で徹底的に販売する企画です。テレビだけではありません。ラジオもインターネットも折り込みチラシも、すべての媒体を駆使して、その商品だけをアピールするというイベントです。

チャレンジデーは、実は前年の7月に第1回目を行っていた企画です。大成功だったのですが、そこには、ぜひご紹介しておきたいエピソードがあります。

若手が企画した「チャレンジデー」

ひとつだけの商品を丸1日徹底的に紹介するのですから、成功すれば一気に売り上げが積み上がることも予想できました。でも、失敗すればダメージは大きい。注文が殺到した場合に備えて相当な数の商品をそろえる必要があります。販売量を読み誤ると、在庫を抱え大変なことになる危険性もあります。

その企画は、私の長男で現社長の髙田旭人が中心になり、若手社員が企画したものです。それまでは、媒体の間で緩やかな連携を試みたことはありましたが、横断的なキャンペーンはやったことがありませんでした。

やったことがない、というのは、反対の理由ではありませんでしたが、チャレンジデーの企画が提案されたとき、私は賛成できませんでした。それまでの経験上、生放送を1日4、5回やっても、ひとつの商品が1日に売れるのは、せいぜい数千止まりでした。チャレンジデーでは、目標を万の単位に据えて、それを前提に予算を組んでいました。

反対した理由はそれだけではありません。これだけのイベントですから総力戦になります。告知のためのテレビコマーシャルの制作費や宣伝費には数億円単位の莫大な費用がかかります。採算がとれるか心配でした。

メーカーには特別に生産ラインを組んでもらって商品を確保しなければなりません。

テレビだけではありませんから、ラジオやカタログ、チラシに新聞広告、インターネットまで、社内全部署の協力が必要です。コールセンターを増員するのはもちろんですが、それでは足りませんから、一般社員の応援も頼まなければなりません。まさに、大イベントです。そんなリスクを冒してまでやる必要があるのかどうか、疑問が残ったのです。

ですから、私は、「やるべきではない」と思いました。

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