高田社長「父は引っ張る人、僕は道を整える」

ジャパネット名物社長を継いだ息子が語る

カリスマの後を継いだ旭人社長は、ジャパネットの方向性を変革している最中だ (撮影:今井康一)
柔らかい表情と丁寧な言葉遣い。一方で、質問には迷いなく的確に応える。たまに出る長崎のなまりと笑顔がどことなく「あの人」に似ている――。お茶の間に甲高い声と笑顔で商品を届けたジャパネットたかたの高田明前社長の息子、高田旭人社長だ。
創業者の明氏は2015年1月に社長を退き、2016年1月にテレビ出演からも引退。息子の旭人氏に道を譲った。カリスマである父の引退後、1年以上が経過して見えてきた課題は何か。ジャパネットはこれからどう変わるのか。旭人社長に聞いた。
(インタビューは3月下旬に実施)

 

――社長就任後、この1年で取り組んできたことは?

この1年間でやりたかったことは、土台作りだった。父は創業者で、インパクトでは勝てない。社長が替わったということで、社員に変化を体感してもらうことにこだわった。

設備面や環境面、制度面でやりたかったことを一気にやった。父からは「よう使うね」と言われるほど投資をしている。私自身、やりたいことを先延ばしするよりも、どんどんやろうという考え方だ。

会社は父が引っ張るやり方に慣れている

――具体的に、何を変えたのか?

まずは休みを増やした。元々月8日の休みを、東京は土日、祝日を休みにして、佐世保(たかたは東京と佐世保の2拠点体制)は土日プラス9連休を年2回取れる制度を作った。責任者から「そんなに休みが増えたら仕事が回りません」と言われたが、計算をすると業務を3~4%効率化させれば良いだけだったので実施した。

あとは、社員食堂を作ったりノートPCに切り替えてwifi環境を整えた。また、全拠点の机の引き出しを全部なくして、ボックス1個に書類を収めるようにした。情報が多すぎると仕事の生産性が悪くなると思っている。

高田前社長は2016年1月にテレビ出演を引退。熊本地震後に1日だけ復活したことが話題になった (撮影:尾形文繁)

――2015年1月に持ち株会社体制とし、通販やコールセンター、物流など子会社に権限を与えた。狙いは何か?

父には創業者の圧倒的なパワーがあった。商品の選び方や伝え方など、父がどっぷりかかわっているところは、すごく進む会社だった。その頭(社長)だけが代わっても仕方ない。それぞれの会社が付加価値を考え、いろいろなことをやる方向に切り替えている。

会社は、父が「Aで行く」と言えばそれに従うやり方に慣れているので、今でも「ABCのどれがいいですか」と私に持ってくる人もいる。徐々に「自分はAがいいと思う。理由はこうです」と言う社員も増えているが、こうした意識を変えるには3~4年かかると思っている。

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