高田社長「父は引っ張る人、僕は道を整える」 ジャパネット名物社長を継いだ息子が語る

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――中長期的な売上高などの目標は?

まったくない。海外に進出するとか、媒体を無理に広げるとか、そういうことは後回しで良いと思っている。今、丁寧にやっている商品選びと周辺のサービスをしっかりやっていけば、結果はついてくる。3年後や5年後に売上高3000億円(2015年12月期の売上高は1559億円)になっている可能性は十分ある。

――投資が続いている。資金調達はどのようにしているのか。上場は視野に入れていないのか。

基本は借入れをしない会社で、財務状態は健全だ。上場は資金調達、ガバナンス、人材確保などの利点があるが、会社名は十分に知っていただいているし、通販なので設備投資も多くない。ガバナンスも自分達で厳しくやっている。上場した方がよいことはあまり浮かばない。

父は口出ししないでいてくれる

たかた・あきと●1979年生まれ。1997年久留米大学附設高校卒業。1998年東京大学教養学部入学。2002年野村証券入社。2003年ジャパネットたかた入社。2012年副社長。2015年から現職 (撮影:今井康一)

――高田明氏が今年1月にテレビ出演から退いた。売り上げなどに影響はないのか?

私が10年前にジャパネットに入ってから、この瞬間をずっと想像していた。コールセンターや物流センターを経験していた時からメンバー(社員)には、「明社長じゃなくてもジャパネット品質と言われるもの作ろう」と言ってきた。

影響は今のところないが、父の支えていた柱が外れた、という感覚はある。すぐには傾かないが、自分が中心となり、皆で組織的に支えることができるかどうかだ。

――高田明氏は、なぜ会長や相談役として残らなかったのか?

「会長で残ったらどうか」と言ったのだが、断られた。会長や相談役というポジションではないところから、ジャパネットを応援してくれている。創業者にとって会社は子どもと一緒だ。本当は多分色々気になることもあると思うが、我慢して、口出ししないでいてくれる。

(週刊東洋経済5月14日号「この人に聞く」に加筆)

富田 頌子 東洋経済 記者

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とみた しょうこ / Shoko Tomita

銀行を経て2014年東洋経済新報社入社。電機・家電量販店業界の担当記者や『週刊東洋経済』編集部を経験した後、「東洋経済オンライン」編集部へ。

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