アーセナルのベンゲル流、勝つチーム作り 若手にも出場機会与えモチベーション高める

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

日本人選手の成長

ベンゲル監督は日本でも人気の高い指導者だ。Jリーグ開幕から下位に低迷していた名古屋グランパスエイトの監督に就任したのは1995年。グランパスエイトは直前の94年、Jリーグで最下位と最悪の状況だったが、ベンゲル監督は就任直後からチームを建て直し、リーグ3位に。さらに天皇杯を優勝してしまうベンゲルマジックをみせた。翌96年のJリーグでは2位となったが、その9月に退任、アーセナルの監督に就任した。その後も彼の手腕に惚れこんだ日本サッカー協会は何度も日本代表監督への就任を依頼したが、いまだ実現せずにいる。

 

私が日本で指導をしていた95年、多くの国際的なスター選手がJリーグでプレーしていた。そうした国際的な選手の存在が、日本のサッカーの価値を、実力を引き上げた。そして今、多くの日本人選手がヨーロッパで活躍している。

日本人選手は非常にマネージがしやすい。彼らの態度はすばらしい。日本の文化がチームや組織を尊重するものだからだろう。

勝つチームを作るために必要なことは、まずチームに弱点がないことだ。

そして違いを生み出せる選手が必要であるし、相手に点を取られない、しっかり守れる選手も必要だ。もちろん、点を取れる選手も、さらに、いいパスが出せる、チャンスを作れる選手も必要となる。

多国籍チームを率いること

アジアツアーのあと、アーセナルはロンドンでのエミレーツカップでナポリ、ガラタサライ、ポルトらと対戦する

もちろん文化の違いはある。かつてアーセナルには18の違った国籍の選手がいたことがある。フランス人選手と日本人選手では、同じ性質を持っているわけではない。時間をちゃんと守る人もいれば遅れる人もいる。自分が遅れたことに気づかない選手もいた。

いろいろな国籍の選手を束ねるには、われわれ独自の文化を築きあげることが必要だと思う。ときにそのカルチャーに反する選手もいるかもしれないが、それをしっかり指摘してあげて、正しい道に進ませる。カルチャーというものを大事にする。そうした選手を育てることが必要だ。

次ページ試合に出る選手、出ない選手
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事