競馬「GⅠレース」が別格の興奮を呼ぶ理由

季節ごとに変わるファンの楽しみ方とは?

重賞レースの格付けは低いほうから「GⅢ」「GⅡ」とあり、「GⅠ」は最も格付けも賞金も高いステータスのあるレースだ。

GⅠの中でも「クラシック」は4月と5月に相次いで開催される3歳馬のレース。

3冠レースと呼ばれる「皐月賞」「日本ダービー」「菊花賞」と牝馬限定の「桜花賞」「オークス」の5レースをこう呼ぶ。

もともとはイギリスのレース体系に倣って作られたレースだ。競走馬にとって世代のチャンピオンを決める一生に1度の最も華やかな舞台といっていい。

これに天皇賞・春、天皇賞・秋、有馬記念を加えたのが「8大競走」である。後発だったジャパンカップや宝塚記念は、ここに含まれていない。これがグレード制を導入する以前のビッグレースということになる。

1984年に導入した「グレード制」が礎になった

JRAは1984年にグレード制を導入している。1970年代に欧州では「グループ制」、アメリカでは「グレード制」を導入しレースを体系化した。その流れを日本でも取り入れ、もともとあった番組にグレードを付けてレースを格付けしたのだ。ただ、あくまで当時はJRA独自のグレードで国際的な格付けではなかった。それでも当時はレースを距離別に体系化したという意味で画期的で、現在の重賞・GⅠ日程の基礎となっているのがこの制度だ。

天皇賞は春秋ともに長距離の3200メートル・芝で行われていたが、世界のスピード化の流れに対応するために秋を東京2000メートル・芝に変更した。春に安田記念、秋にマイルチャンピオンシップという1600メートルのGⅠを創設。1981年に創設された国際招待のジャパンカップがグレード制導入や国際化の第一歩だったことはいうまでもない。

重賞レースはこのグレード制で体系化されたが、もともとの歴史は古い。天皇賞は戦前の国営競馬の時代から前身となる「帝室御賞典」という競走名で行われていた。現在はダービー当日に行われている目黒記念も国営競馬の時代から行われていた歴史のあるレースで、グレード制導入以前は年に春と秋の2回、天皇賞の重要なステップレース(前哨戦)として行われていた。現在は1600メートルで定着している東京新聞杯はグレード制導入以前は2000メートルのハンデ戦だった時代もある。

JRAの重賞レースは戦前から賞金の高いレースに重賞競走という言葉が使われていた。1953年に改めて、特別競走の中でも出走馬のレベルが高く賞金が高額なレースを重賞と呼び、番組表に導入することになった。以降はJRAが定めた「重賞競走一覧」に掲載されたレースが重賞ということになった。

こうして長年組まれてきた体系を基に作られたのが1984年の競走体系だった。そして、以降は現在の重賞体系とほぼ変わっていない。このときに決められたGⅠは15レース。安田記念やマイルチャンピオンシップなどのマイル(1600メートル)GⅠを新設するなど画期的ではあったが、伝統があったり超A級馬が参戦するレースもGⅡに含める形で現在に至っていた。

今年GⅠに昇格した大阪杯はその1つだったといっていい。現在は障害も含めてJRAで重賞は年間138レース行われている。重賞が行われていない週はない。興行として重賞レースは欠かせないものとなっている。

次ページ大阪杯はなぜ、GⅠに昇格したのか
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