「ダビスタ」に集まる競馬人気活性化の期待 生みの親が明かす「異色」育成ゲームの裏側
競馬がじわりと活気を取り戻している。日本中央競馬会(JRA)の売得金(勝馬投票券の発売金から返還金を引いたもの)は、ピークだった1997年度の4兆円から14年連続で減少し、2011年度には2.3兆円まで落ち込んだ。だが、この4年間はいずれも前年を上回り、2015年度は2.6兆円まで回復している。
シリーズ最新作がスマホ向けに配信
競馬市場がこの先、さらに伸びていくためには、新たな競馬ファンの醸成は欠かせない。そんな中で期待を集めているのが、競馬ゲームのダービースタリオン(ダビスタ)だ。この11月、シリーズ最新作がスマートフォン向けに配信された。JRAとコラボレーションするなど、業界内でも期待は大きい。競馬の売り上げが急拡大した1990年代、その牽引役を担ったのがダビスタだったからだろう。
ダビスタの1作目は、オグリキャップの引退レースの興奮覚めやらぬ1991年、ファミコンソフトとして発売された。ダビスタをきっかけに、現実の競馬にハマった人は少なくない。騎手や調教師など競馬界にも根強いファンがいる。競馬が最も活況を極めた1990年代に、ファンの裾野を広げる一翼を担った。
ダビスタは、レースでの走りを操作し勝利に導くアクションゲームとは一線を画し、強い馬をいかに作るかという、競争馬の育成にスポットを当てたシミュレーションゲームだ。勝てる馬を作るカギとなるのが血統。血統をうまく組み合わせ、長所を伸ばし、短所をカバーする。
開発したのは現在、ゲーム開発会社パリティビットの代表取締役を務める薗部博之氏だ。早稲田大学を卒業し、入社したアスキーの同僚が競馬ファンだったことから、競馬の世界に足を踏み入れた。当時はオグリキャップが競馬界を席巻する第2次競馬ブーム。虜になるのには時間はかからなかった。
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