大谷翔平(北海道日本ハムファイターズ)の活躍がすさまじい。球速165km/hは日本野球機構(NPB)最速投手。昨季は日本プロ野球史上初の2ケタ勝利(11勝)と2ケタ本塁打(10本)を達成。今季はキャリア2度目の2ケタ勝利とキャリア最多の22本塁打を記録して、投打ともにチームの主力としてリーグ優勝に大きく貢献した。
固定観念に縛られていたことに気がついた
入団当初は、投手と打者の両方を続けていくことに賛否両論があった。筆者は投手に絞った方がいいと思っていたひとりだ。過去に投手と野手を両立して、どちらもトップクラスの成績を残した選手がいなかったこと。将来、米国・メジャーリーグへの挑戦を考えるなら、投手としてのスキルを磨き、価値を高めた方がいいのではないかと感じていたことが理由だ。
しかし、大谷の活躍を目の当たりにして、いかに自分の考えが単純で、固定観念に縛られていたのかを思い知らされた。
ただし、大谷が将来、メジャーリーグを目指すとしたら、米国で両方をこなすのは難しいかもしれない。すでに米国でも注目を集めている大谷は、巨額の複数年契約が予想される。投手としての能力を高く評価された場合、野手で起きるリスク(死球や自打球のケガなど)を考えると、野手としての出番は激減することが考えられるからだ。
ダルビッシュ有も「ナンバーワンになれる可能性があるとしたら投手なので、その可能性を選んだほうがいい。(二刀流は)プロ野球の人気を考えれば見ていて面白いし興味があることになると思うけど、本人がメジャーに行きたいと思った時は絶対に足を引っ張ることになる」と語っている。
大谷というモデルを考えると、能力的に二刀流は可能で、リスクを考慮すると難しい場合もあるということになる。ということは、リスクの少ないパターン(動く金額が巨大ではない)なら、「二刀流」にどんどんチャレンジしていくべきではないだろうか。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら