世界の競馬を格付けしているのが「国際セリ名簿基準委員会」である。ここではそれぞれの国を競馬の実情に応じて分類している。国ごとの競馬のレベルを最高の「パートⅠ」、続いて「パートⅡ」「パートⅢ」「パートⅣ」というカテゴリーに分けて、そのランクを統一した基準で示している。パートⅠの国になるにはすべてのグレード競走が国際的に開放されていなければならない。
より国際的に進化している日本競馬
JRAの競馬は当初はパートⅡだったが、2007年にパートⅠとなった。ただ、当時はクラシックなど外国馬に開放されていなかった一部のレースは国際格付けを得られなかった。2010年からはすべてのグレード競走が国際格付けと同様になった。JRAの重賞レースの場合、つねに外国馬が出走可能であり、門戸は開かれているということである。
2010年以降は「日本グレード格付け管理委員会」がJRAの重賞の格付けを管理している。現在、JRAで行われているGⅠは凱旋門賞や先日行われたドバイ国際競走のGⅠと同じである。また、これまで出走した馬はいないが、たとえば筆者の地元である福島の重賞にも外国馬の出走は可能である。一定の基準を満たしてパートⅠの仲間入りを果たしたことでJRAの重賞は国際基準となった。
今年の大阪杯とホープフルステークスのGⅠ昇格はレースのレーティング(レースのレベルを数値化したもの)がGⅠにふさわしいという条件を満たしたためだ。
大阪杯は過去に強豪馬たちが出走しており、レースのレーティングも高かったためにGⅠ昇格は問題なかった。
ホープフルステークスはというと、過去3年間の平均と直近のレーティングが110を超えたために「日本グレード格付け管理委員会」と「アジアパターン委員会」で承認された。パートⅠになってからはこうした形式を踏まないと簡単にはGⅠには昇格できない。
地方競馬は外国馬に開放されている大井競馬場(東京都品川区)の東京大賞典が国際GⅠに格付けされている。ダートレースの場合、「ダートグレード競走格付け委員会」が中央と地方のダート重賞の格付けを定めているが、地方で行われるダート重賞は外国馬が出走できないのが大半のため厳密にはレースの格付けは「G」ではなく「Jpn」表記となる。
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