クスリの大図鑑 <ガン> 3人に1人はガンで死亡 “輸入新薬”多いのが課題

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ガン細胞だけに効く! 副作用少ない薬続々

新しいアプローチとして注目されているのが分子標的薬(効き方[5])だ。ガン細胞特有の分子をキャッチして増殖や転移を防ぐようにデザインされており、正常細胞を傷つけず、その結果、副作用の低減が期待されている。

分子標的薬の中で現在最も売り上げが大きいのはグリベックだ。慢性骨髄性白血病に対して高い有効率を示し、以前は治療が困難であった消化管間質腫瘍に対しても効果を示す有用な薬剤と評価が高い。乳ガン治療薬のハーセプチンもやはり分子標的薬で、急速に売り上げを伸ばしている。今年2月からは手術後の補助療法でも使用できるようになった。ちなみに、乳ガン分野では、およそ7割の乳ガンの増殖に関与しているといわれる女性ホルモンをコントロールするフェマーラ(ノバルティスファーマ)が06年に発売された。

昨年発売されたアバスチン(中外製薬)も斬新だ。ガン細胞への栄養や酸素を供給する血管の増殖を阻害する薬剤で、種々のガン種に有効である可能性がある。国内では、現在は大腸ガンに限られているが、胃ガン、肺ガン、乳ガンへの応用が検討されている。メルクが申請中のアービタックスも、上皮細胞成長因子という増殖因子の働きを抑える結腸・直腸ガン治療薬として7月にも承認が下りる見込みだ。

残念ながら、海外で実績のある治療薬がようやく国内でも使用できるようになってきたのが現状。日本企業にも新たな抗ガン薬を創製すべく奮起を期待したいところだ。

表とグラフの見方
 表は、疾病別の主要医薬品を2007年度売上金額の上位順にランキング。ただし一部の売上金額と前期比伸び率は本誌推定。また一部は薬価ベースでの売上金額を採用しており、売上高ベースより金額が膨らむ。一方、グラフは、代表的な先発薬と、その後発品とで自己負担額を比較した。後発品薬価は08年4月現在で存在する全品目の平均値で計算。また、実際の支払い時には薬局での調剤報酬等が含まれる場合がある。

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(週刊東洋経済)
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