中国勢が日本のアニメを「爆買い」する事情

世界で稼げる力に注目、元やドルが乱れ飛ぶ

『君の名は。』と『この世界の片隅に』のヒットを受け、久しぶりに映画館でアニメを見たという人は少なくないだろう。

実は両作のヒットは、日本のアニメ市場における氷山の一角にすぎない。アニメの市場規模は2013年から過去最大を更新し続けており、『千と千尋の神隠し』や『新世紀エヴァンゲリオン』などの大作が相次いだ1990年代後半~2000年代前半を超える、史上4度目のアニメブームの真っ只中にあるのだ。2015年の市場規模は1兆8255億円(日本動画協会の調査)だったが、2016年もこの額を更新した可能性が極めて高い。そして今回のブームは過去3回とは異なり、アニメビジネスの仕組みを変えうる胎動を秘めている。

制作費をポンと出した「旦那」の正体は

週刊東洋経済は3月27日発売号(4月1日号)で『熱狂!アニメ経済圏』を特集。新次元へと突入するアニメ経済圏の最前線を追っている。

『霊剣山』という深夜アニメシリーズをご存知だろうか。主人公が仙人を目指して修行を積み重ねる物語で、2016年1~3月のファーストシーズン『星屑たちの宴』に続き、今年1月からはセカンドシーズン『叡智への資格』がそれぞれTOKYO MX系で放送された。

週刊東洋経済3月27日発売号(4月1日号)の特集は『熱狂!アニメ経済圏』です。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

大ヒット作品ではないものの、独特なギャグセンスや、昨今多いテンプレ的展開(予想がつく典型的な展開)ではない独自なストーリーを評価するファンも少なくない。何よりこの作品は、第4次アニメブームの深層を端的に物語るという意味で、アニメファンでなくても注目に値するのだ。

『霊剣山』は中国の人気ウェブ小説が原作で、日中共同出資の霊剣山製作委員会がアニメ化した。制作したスタジオディーン(東京・吉祥寺)は、『うる星やつら』『めぞん一刻』などで知られる高橋留美子作品の一連のアニメ化に参加したことなどで知られる中堅スタジオだ。

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