「年を取っても働き続ける人」ほど健康なワケ 朝きちんと起きる理由があることは大事

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コーネル大学のエレオノーラ・パタチーニとシラキュース大学のゲーリー・エンゲルハードは経済の専門家で、2005〜2010年に57〜85歳の約1300人に社会とのつながりについて尋ねたデータを分析した。

婚姻関係や年齢、健康状態や収入といった要素を勘案した上で分析を行ったところ、家族や友人といった社会的ネットワークの大きさは仕事を続けている人では25%拡大したのに対し、引退した人では5年の間に縮小がみられた。また、ネットワークの拡大が見られたのは主に女性や、高等教育を受けた高齢者に限られた。

朝きちんと起きる理由が必要だ

AARP(米退職者協会)が運営する「AARPエクスペリエンス・コープス」は、50歳を超えた人々を小学校に派遣する活動を行う非営利組織だ。活動に携わるボランティアを対象にした複数の調査によれば、学校への往復が健康維持に役立っていることや、子どもたちとの交流によって認知力もアップしていることが明らかになっている。

「ボランティアも賃金労働も、身体的・精神的健康を改善する」と語るのは、エクスペリエンス・コープスの創立者でコロンビア大学公衆衛生大学院の学部長を務めるリンダ・フリードだ。「人間には目的が必要だし、朝にきちんと起きる理由が必要だ」

誰もが高齢になっても働けるわけではないし、誰もが働き続けたいと思うわけでもない。また、低賃金の職や組立ラインでの仕事を続けるとしたら、かなりきついに違いない。

ジャーナリストで風刺作家のH.L.メンケンは1922年にこう書いている。「もしどんな報酬も得られなかったとしても、芸術家は変わらず働き続けるだろう。彼が実際に得る報酬は、本当のところ、飢え死にしかねないほど少額のことが多い。だが衣類を作る労働者が労働の報酬をまったく得られなかったらどうなるか。変わらず働き続けたりするだろうか?」

(執筆:christopher farrell記者、翻訳:村井裕美)
(c) 2017 New York Times News Service

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