家庭内の会話で、国語力を上げる2つの方法 国語ができない子に試してほしい

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【会話例】

子ども:「金曜日にそろばん教室でテストをやったんだけど、難しかったんだよね」

:「そう。どういうところが難しかったの?」

子ども:「見取り算がそろばんの玉が重くてやりづらかったり、伝票をめくるのとそろばんをはじくのと同時にやるから、両方やるのが難しかったなあ」

:「ほかに、何か難しかったことあるの?」

子ども:「あと、割り算に¥記号があるときは小数第一位を四捨五入するとかいうルールがあるんだけど、これも結構難しかった」

:「そう。3つ難しいことがあったんだね。今後もずっと難しいだけじゃダメだよね。どうしたらいいのかな」

子ども:「見取り算を速くやれば、重くてもスピードが落ちないようになるかも。伝票算は両方に気を配る訓練をして、¥マーク割り算は、何回も練習するしかないかな~」

簡単な促し言葉を発するだけで

この会話は実際にあった会話ですが、親が質問していることは「どういうところが?(具体的には?)」「ほかには?」「今後どうしたらいいの?(HOW?)」だけです。このように親御さんが上手に、簡単な促し言葉を発するだけで、子どもは、それにしたがって会話が進んでいき、結果として、「序論 → 本論 → 結論」の流れができていってしまうのです。

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もし具体的に話をするよう促すときは、「3つぐらいある?」と数字を入れるとわかりやすくなることがあります。「3つ」と言われると、人は3つ探して考えますから思考をトレーニングすることにもなります。ビジネスの世界では、3つにまとめるといいという場面に出くわすことが少なくありません。3つは据わりが良いためか、記憶しやすいためか、わかりませんが、3つというのは本当によく使われますね。

以上のように、息子さんとの日常会話で、ストーリー展開型、論理展開型の2つの話の型の習慣をつけていってあげるといいでしょう。場合によっては国語はただの文字の羅列ではないということから説明してあげなくてはなりませんが、型がわかってくると、頭もそのような構造を当たり前に受け入れるので、これまでとは違った認識ができるようになることでしょう。

石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育評論家

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いしだ かつのり / Katsunori Ishida

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4000人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、Mama Cafe、執筆、講演を精力的に行う。国際経営学修士(MBA)、教育学修士。著書に『子ども手帳』『子どもを叱り続ける人が知らない「5つの原則」』、『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』ほか多数。

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