なぜならば、関係の根底にあるのが「友人」というイコールの関係であり、同じような考えや立場にいるという前提、そして相手への尊敬や思いやりがあるからです。加えて、社会人数年目なんぞは正直、学生に毛が生えたようなものですから、社会人というよりは学生に近い立場です。したがって普通に考えれば、それだけで関係が崩れるとは考えにくいのです。
私の周りの社会人数年組も、何の問題もなく現役の学生たちと楽しく関係を維持していますよ。むしろ社会人の先輩と付き合うよりは学生と付き合うほうが楽しそうにしているくらいです。
板倉さんの場合も、何も働き始めてすぐに幹部クラスになったり、職業人というくくりで個人として会社内部だけでなく外部でも知られる存在になったというわけではないでしょう。
30~40歳の社会人との関係のほうが遠いはず
つまり学生を続けている友人たちと、そこまで遠くはない、いやむしろ近い立場のはずです。反対に今の板倉さんと、企業の重役クラスはおろか、30~40歳の社会人との関係のほうが立場的には遠いはずです。
立場的に近い学生の友人たちと関係が崩れる、またはうまくいかなくなるというのは、学生・社会人という「単なる空間軸の差による立場の違い」だけでなく、ほかの何かに問題があるように思われます。つまり、イコールであるはずの関係を崩す何か、ですね。
社会人同士によくあるのが、学生時代は親しかったが、その後のキャリアの違いにより社会的ステータスが大きく変わり、趣味や交流関係に多大なる相違が生じて疎遠になるパターンです。
このケースでは遊びの前提や考え方が大きく変わったがゆえに、友人関係の基盤である「イコールの関係」や「類似感」が、お互いのイメージの中で崩れたから疎遠になったということです。
しかしながら、これも必ずしもそのかぎりではなく、社会的立場が異なったとしても、友人として相手への尊敬や思いやりを忘れないかぎりは、良好な関係は継続できるでしょう。
実際、私の親友や友人にはブルーカラーもたくさんいますし、半分無職みたいな人がいたかと思えば、とんでもない成功者もいます。でも友人であることには変わらないし、会えば相変わらず学生の頃と同じ感じで対等に遊び、会話を楽しみます。両者が求めているのは、社会人うんぬんではなく「友人」だからです。そして友人としてお互いイコールだと思っているからうまくいくのです。
板倉さんはどうでしょうか?
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