「27歳男性」が高齢者向け不動産を扱う事情

「年寄りだから借りられない」のはおかしい

これまでにないことから、R65不動産は新聞をはじめ、さまざまなメディアで紹介されているが、スタートから2年弱、まだまだ、いくつもの解決しなければならない課題を抱えてもいる。

こう聞くと多くの人は物件不足を想像するかもしれないが、その点はさほど問題ではないと山本氏。以前から付き合いのあるオーナー、メディアに紹介されたことで協力を申し出るオーナーもおり、物件自体はなんとかなる。それよりも問題なのは、高齢者の多くが情報弱者であること、物件の場所が非常に限定されることだという。

高齢者の部屋探しは時間がかかる

実際、探している人から連絡が来ることはほぼなく、9割は相談を受けた自治体や士業の人々からの問い合わせ。しかも、地域包括支援センターのような公的機関では民間企業、それも現段階では1社しかない会社を紹介するわけにはいかず、それがネックになっている。

また、高齢者は通院している病院やそれまでの人間関係を大事にするため、若い人よりも住む場所が限定される。子どもの近くに住みたい場合も同様で、最寄り駅どころか、何丁目何番まで決め込んでの部屋探しになることもあり、結果、3カ月、半年かかるケースも少なくない。そのため、問い合わせは月に数件あっても、成約に至るのは月1件ほど。昨年は13件で、今年は2月までで5件と少しずつ効率はよくなってきているが、通常の部屋探しより時間がかかってしまう。

そこで、山本氏は今後、物件を多く抱える管理会社との連携を深めることや、自ら物件を管理する立場になることも考えている。自社で管理すれば当事者として入居者が病気になったり、死亡したりした場合などのノウハウが蓄積できる。

それを広く公開・共有できれば高齢者の居住が問題の解決につながるのではないか。これに向けてまずは、入居する高齢者に異変があった際はそれを素早く感知し、対応できる仕組みを構築しようと実証実験を重ねているという。

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