あなたは万が一の大震災に備えていますか 東日本大震災、改めて考えておきたい「教訓」

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家屋の倒壊を防いだら、次は室内の対策です。倒れる家具は凶器に変わるからです。家具の扉を開いて、中に置かれているものの配置を見てみましょう。本棚なら百科事典などハードカバーの分厚い本を、食器棚なら鍋釜などを下に置くなど、重たいものを極力下へ置くことで重心が下がり、倒れにくくなります。また寝る場所の周りには倒れそうな家具を置かないなど、室内の家具の配置で、より安全な空間にすることができます。

いちばん良いのは、家具を倒れないようしっかり固定することです。「突っ張り棒」や「L字金具」の使用が基本ですが、固定方法や固定する側の建物の強度などを把握していないと、せっかく固定しても意味をなさなくなります。また家具だけではなく、近年大型化しているテレビなども固定しておく必要があります。

家具と同様に、ガラスも凶器となります。窓ガラスはもちろん、家具のガラス戸や食器などにも注意しておく必要があります。ガラスに飛散防止シートを貼るのが基本ですが、割れにくく、また割れた場合も破片が細かくなる強化ガラスの使用も1つの方法です。

「地震が起きたら、すぐに火を消す」というよく聞く教訓があります。1923年9月1日に発生した関東大震災では、地震後の火災で多くの人が命を落としました。それゆえに普及し、定着した教訓です。

実際には、「すぐに」火を消すのが危険な場合もあります。激しい揺れの最中にコンロの火を止めようとし、高温の油や熱湯をかぶり、やけどをする例がこれまでの地震でもありました。まず揺れから身の安全を確保し、収まった後に火を消しましょう。消火器の使い方と共に冷静に行動できるよう、日頃から想像し訓練しておきたいところです。

万が一、やけどしてしまったら……、そして火が大きく燃え広がったり、あるいは家屋や家具が倒れて閉じ込められたりする場合もあるかもしれません。いずれの場合も、ファーストエイドや救出に必要な技術や装備をあらかじめ準備しておく必要がありますが、応急措置や救助は1人ではできないことばかりです。自分が「される」側に回るときもあるかもしれませんし、その時周囲に家族がいるとは限りません。いざというときに助け合えるような、近所との関係を常日頃から構築することが大切です。

家族の安否はこうやって確認しよう

大地震が発生し、家や周囲に危険がある場合には避難することになりますが、一般に避難所といわれる場所にも「一時避難場所」や「広域避難場所」などの種類があり、それぞれの避難所には時と場合に応じた役割があります。周囲の避難所の場所や役割を事前に確認しておきましょう。避難所までのルートも併せて確認し、複数のルートを想定しておくことが重要です。家屋が倒れたり、橋が落ちたり、いつものルートが通れないかもしれません。また、避難するときには、可能なかぎり電気のブレーカーやガスの元栓を閉めてから避難すると、復旧時の通電火災やガス漏れを防げます。

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