あなたは万が一の大震災に備えていますか 東日本大震災、改めて考えておきたい「教訓」

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避難と同じく考えておきたいのが、家族親族や友人との連絡方法です。連絡が取れるか取れないかで、その後の行動が変わる場合があるからです。大規模な地震が発生すると、電話はまずつながりません。電話は使えなくなる前提で連絡手段を考えましょう。災害時に連絡を取る有効な方法の1つが、NTTが提供する災害用伝言ダイヤル(171)や、携帯電話各社が提供している災害用伝言板です。これらも急に使いこなせるものではありません。あらかじめ体験サービスなどで使用し、慣れておくことが大切です。そのうえで、すべての連絡手段が使用できなくなった場合に備え、集合場所を決めておきましょう。

大規模災害時に発生するのが、帰宅困難者の問題です。交通機関が止まり、歩いて帰るほかない。そのような人が東京とその周辺で650万人に達するとの試算があります。日頃歩き慣れない人が、土地勘のない場所を、災害後という非日常の中で歩く。その困難さは容易に想像できます。仮に連絡さえ取れれば、無理に帰らなくても一安心できる場合もあるのではないでしょうか。そのためにも連絡手段の事前確認は大切です。そのうえで、どうしても歩いて帰る場合に備えておきましょう。

命を取り留め、無事避難し、家族との連絡も取れた。しかしそれだけでは、災害直後を生き抜くには不十分です。「公助」と呼ばれる、公的機関による支援物資の配布などの体制が整うまでに、発生から最低3日間かかるといわれています。裏返せば、この3日間を乗り越えるために必要な飲み物や食料の確保が、生き延びるための最低条件といえます。ただ、必要な物資は飲食物だけではありません。夜間の明かり、寝具や防寒対策、トイレ、そして情報を得るためのラジオなど、さまざまな準備をしておく必要があります。防災グッズなども販売されています。必要な物を事前に準備し、備蓄しておきましょう。備蓄物の定期的なチェックも大切です。

「想定外」から想定を

『震災から身を守る52の方法[改訂版]』(アスコム)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

東日本大震災では「想定外」という言葉をよく耳にしました。数百年に1度といわれる大津波や、その津波が原子力発電所を襲ったことが、「想定外」の災害とされています。命を守るための対策は、これまでにない大津波や原子力災害に対しても行わねばなりません。これまでよく言われてきた点だけでなく、つねに新しい状況に対応することも求められています。

また上手に活用したいのがインターネットです。不確実な情報も多く含まれる、という点には要注意ですが、上手に活用すれば、ほかにはない情報を得られます。SNSなども、連絡手段になるだけでなく、身近な地域だけの情報や、今求めている情報を能動的に探す場合に効果的です。

災害は、古くから起こり、これからも続く永遠の課題といえます。これまでの経験に加えて、新しい技術や情報も上手に取り入れて対処し、災害から身を守る準備をしておきましょう。

一柳 亮太 レスキューナウ 危機管理情報センター

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ひとつやなぎ りょうた / Ryota Hitotsuyanagi

株式会社レスキューナウは、24時間365日絶え間なく危機管理情報収集・配信を行う危機管理情報センターを運営。

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