「中国人、韓国人」と日本人が働きにくいワケ

合意重視で計画性のある国民性と合わない

私もトライしようと思って、アドバイスを請いました。すると彼は、「日本人は米国人と違ってアイコンタクトはあまりしない。質問があるかと聞いたときも、ほとんどの人は君を見ないでほかのところを見ている。でも、中には君をジッと見ている人がいて、その人たちの目は輝いているはずだ」と教えてくれたのです。実際、翌日プレゼンの後、参加者の中に1人だけ私を見ている女性がいました。私が質問をしたいかジェスチャーで尋ねると、彼女はうなずいたのです。

――それが「日本人らしい」意思表示なんですね。

Erin Meyer/フランスとシンガポールに拠点を置くビジネススクールINSEAD客員教授。異文化交渉、多文化マネジメントに焦点を充てた組織行動学が専門。ハーバード・ビジネス・レビュー、ニューヨークタイムズなど寄稿多数。世界銀行、国連、エクソンモービルなどでも講演。世界で最も注目すべき経営思想家のひとりとして、「Thinkers 50」ほかで紹介されている。

日本人は、いろいろなメッセージをいろいろな形で発しており、これが日本人流のコミュニケーションなのです。それに気がつかないと、日本ではビジネスができません。「彼らは話さないし、質問もない」では、そこで終わってしまう。私のような米国人でも、日本人のメッセージの発し方をわかるようになるのだから、日本でビジネスをする外国人も理解する努力はすべきです。

一方、違う文化圏で働く場合は、逆の努力をしないといけない。たとえば、私が話したときに手を挙げて質問をしないのは、私の話したことに興味がないか、不満があるということになります。そのため、欧米人の多くは日本人が反応しないのは、そもそもその人に情熱が足りないのか、自分の話がつまらないのか、あるいは、どうでもいいと思っているのか、ととらえてしまうのです。

日本人の驚くべき計画性

――本の中では、中国人が日本人と比較的似た位置づけでとらえられています。日本人から見ると、日本と中国の国民性というか、ビジネスのやり方には大きな違いがあるように思えるのですが。

たしかにカルチャーマップで見ると、日本と中国は極めて似た位置づけにあります。どちらの国の組織も比較的階級的ですし、コミュニケーションにおいても、(あまり直接的にモノを伝えなくても、互いに言いたいことが伝わる)ハイコンテクスト文化に分類される。ですが、重要なのは相対的に比較することで、2カ国を比べると、非常に違うことがわかります。

たとえば、私は数カ月前中国を訪れましたが、計画性において日本と中国では驚くほどの違いがあると感じました。日本の場合、時間に極めて正確で、すべての予定が分刻みでしっかりと計画されている。一方、中国では予定が頻繁に変わります。セミナーの時間や場所が最後の最後で変わることもあるし、登壇者や参加者も変わることがある。それでも、最終的にはきちんと回るんですね。それは彼らの変化に対する柔軟性が高いからともいえます。

だから、私のような米国人がアジアを訪れる場合でも、日本と中国に行く場合は心構えが違います。日本は何カ月も前から予定の調整を始め、どこで何をするか、分刻みで決めていく。ディナーに何を食べるかまで。今日のセミナーも10時3分に始まったのですが、それでも誰かが「予定より遅れている!」と言うわけです。これは本当に驚きでしかない。そういう経験をすると、アジア人だからといって日本人と中国人をひとくくりにはできないことがわかります。

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