池上彰、佐藤優「Yahoo!ニュースの見方」7極意 「日本最大のニュースサイト」何をどう読む?

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佐藤:まず知っておいてほしい大前提としては、気づいている人も多いはずですが、「パソコン版」と「スマホ版」では表示されるニュースが異なること、さらに同じ「スマホ版」でも、見る人によって表示されるニュースそのものが違うことです。

「表示されるニュースそのもの」が異なる

【1】「パソコンとスマホは別情報」と知る

佐藤:Yahoo!も含めてポータルサイトでは、過去の閲覧履歴や検索履歴に合わせて、表示される内容が変わります。スマホ版のサイトは、特にその傾向が強い。私の場合、「あなたへのおすすめ」の上位3位以内に、動物関係の記事が毎日のように入るんです。自分が日頃からいかに動物についての記事を読み、検索をしているのか、やっと自覚しました。

池上 彰(いけがみ・あきら)/ジャーナリスト。1950年、長野県生まれ。NHKで記者やキャスターを歴任後、2005年よりフリージャーナリストとして多方面で活躍中。現在、東京工業大学特命教授。名城大学教授(撮影:今井康一)

池上:佐藤さんらしい話ですね。記事もそうですが、広告は特にその傾向が顕著です。私は自動車が好きで、外国車の新車が発売されるとチェックするので、やたらと自動車の広告が出てきます。

佐藤:この「勝手に分析されて自分に入ってくる情報が偏っていく」というネット独自の傾向は、非常に危険ですね。いわゆるネトウヨの人たちは、きっと毎日パソコンやスマホで「日本が危ない、日本人はだまされている」という情報ばかり見ているんだと思うんです。

池上:そうすると、ますますそういう記事ばかりが上位に表示されるようになり、「ほかの視点」が入るすきがなくなってしまいますね。それで、どんどんバイアスが広がってしまいます。

佐藤「関連する情報が集まりやすいこと」にはメリットがあるのも事実ですが、その一方で、視野が狭まり、情報が貧困になっていく危険性も高い。その両面に注意を払いながら使うことが重要ですね。

池上:ネットでは、「自分が知りたいこと」や「自分の考え」を補強する情報が欲しければ、いくらでも見つけ出すことができますからね。「知りたいことだけ知ることができる」のがネットの長所でも短所でもあるんですね。

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