池上彰、佐藤優「Yahoo!ニュースの見方」7極意 「日本最大のニュースサイト」何をどう読む?
佐藤:もうひとつの大前提は、Yahoo!をはじめとするネットニュースは、新聞や雑誌、通信社などマスメディアが発信している情報を転載している「二次情報」が多いということです。

池上:Yahoo!もネット系メディアも、独自に作成して発信している記事もありますが、その場合でも既存メディアが報じたものを再取材しているケースも多いようです。私の場合、すでに新聞で読んだ記事がYahoo!に載っていることも多く、「ああ、あの記事か」と思って、見出しを見ることはあっても、クリックすることは少ないですね。
佐藤:Yahoo!ニュースに限らず、個人サイトやSNSの投稿も、根っこはマスメディアの情報というケースは少なくないですからね。おカネはかかりますが、「時間は希少材」ということを考えると、新聞や雑誌できちんと精度の高い情報をチェックしたほうが、効率は何倍もいい。「ネットは実は効率の悪いメディアだ」というのも、ネットと付き合う大事な大前提のひとつです。
ヤフトピの「下半分」ばかり見ていない?
佐藤:具体的な「読み方」に話を進めると、パソコンでYahoo!の画面を開くと、中央に出てくる「ニュース」という欄があります。「Yahoo!トピックス」と呼ばれているところで、そこには主要ニュースが8項目、縦並びで紹介されています。
池上:「Yahoo!トピックス」は、上の5つが政治、経済、社会などの「硬いニュース」で、下の3つがスポーツと芸能の「やわらかいニュース」というのが、本来は基本形になっているようです。
佐藤:ただ、最近は「5対3」ではなく、スポーツや芸能関連など「やわらかいニュース」が全体の半分を占め、「4対4」になっている時間帯も増えていますね。
池上:Yahoo!も「アクセス数を稼げ」という圧力が強くなっているんでしょう。実際、「ニュースはYahoo!で見ています」という人でも、芸能・スポーツやゴシップ的なものを読んでいることも多い。Yahoo!ニュースを見るときは、「掲載されているニュースの『下半分のニュース』にばかり目が行っていないか」を意識してみるといいかもしれませんね。