リクルートスーツの「制服化」が進んでいる スーツは黒、ネクタイはストライプで画一化

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女子学生のコートについても、ベージュのトレンチコートが主流だ。選択肢もスカートかパンツか、ブラウスを明るい印象で見せる開襟タイプか、真面目さを印象づけるために首元をきっちりボタンで留めるタイプを選ぶかくらいしかない。

もはや、リクルートスーツはアイテムも含めて、「制服化」しているといってもいい。「就活スタイルそのものがより画一化してきている。社会人の入門編となるスーツとなると、黒いスーツ、白いワイシャツ、ストライプ柄のネクタイという形」と、AOKIの諏訪健治専務執行役員は語る。

学生は「正解のスーツ」を求めている

リクルートスーツは黒以外の選択肢がなく、違いは機能性の差となっている (撮影:大澤誠)

むしろ学生のほうが、ほかの人と違うスーツを選んで浮いてしまったり、面接でマイナスの評価を受けたりすることのないように、「どういったスーツを選べばよいか、どういったアイテムを持てばいいか」と尋ねてくるという。店側が積極的に売り込んでいるわけではなく、最初から学生がリクルートスーツスタイルの正解を求めているのだ。

そうしたニーズに応えるため、定番の就活で必要な、スーツとスーツ以外のアイテムをセットで売る事例が増えている。

AOKIでは、2015年からマイナビスチューデント(現「マイナビ学生の窓口」)と組み、学生の声を取り入れた「究極の就活スーツ」を開発し、販売をしていたが、今年からコーディネートアイテムを「究極の就活シリーズ」として追加し、スーツと周辺アイテムのセットでの販売を強化している。具体的な周辺アイテムは、男性は、シャツ、ネクタイ、ベルト、靴、バッグ。女性の場合は、ブラウス、パンプス、バッグとなっている。それらのアイテムすべてと「究極の就活スーツ」を合わせ、男性なら5万円、女性なら4万円の価格(共に税別)で売り出している。

「就活をするうえで、最低限必要なアイテムをそろえている。そこにニーズに合わせて、ズボンやネクタイ、シャツなどを追加で購入してもらっている」(丹治副店長)。これまで、別々に買いそろえる必要があったが、「リクルートスーツ一式」をまとめて買うことができるし、簡単にトータルコーディネートもできることで、就活生には好評だ。

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