④馬連 「うまれん」と読む。馬番連勝複式。1着と2着になる馬番の組み合わせを当てる馬券で1991年にJRAで導入された。枠連のところでも述べた「同枠取り消し問題」を解決する意味もあって、馬連の導入はファンから歓迎された。何より枠連より高額配当を期待できる魅力があり、導入後すぐに主流の馬券となった。配当の割のよさと的中しやすさのバランスがいい。根強い人気がある馬券だといえる。
⑤馬単 馬番連勝単式。1着と2着になる馬番を着順通りに当てる馬券。2002年に導入された。組み合わせさえ当てればいい馬連よりも難易度が高い分、高額配当も期待できる。とはいえ、導入当初から売り上げのシェアは馬連を下回っている。
⑥ワイド 拡大馬番連勝複式 1着から3着までに入った馬番のうち、2頭の組み合わせを当てる馬券だが、初心者には意外にわかりにくい。つまり1着2着、1着3着、2着3着でも上位3頭のうち2頭の組み合わせが含まれていれば「当たり」となる。馬連よりも当てやすい分、配当は低くなる。1999年に導入当初は一定のシェアがあったが、2002年に馬単、この次に説明する3連複が導入されてからは人気が落ち込んだ。しかし、近年は巻き返している。当てやすい馬券として初心者にお勧めだとされているが、2頭の組み合わせなのと3着までの2頭というのが、案外と初心者には理解しづらいというのが筆者の印象である。
⑦3連複 1着2着3着になった馬番の3頭の組み合わせを当てる馬券。着順は関係ない。ローリスクハイリターンの馬券として2002年に導入された。3頭を的中させなければならないため人気薄の馬が3位までに含まれると、組み合わせによっては高額配当が飛び出す。売り上げ全体の2割程度のシェアがあり、2007年以降は馬連を上回る売り上げを記録している。
⑧3連単 1着2着3着になった馬番を順番通りに当てる馬券。3連複より難易度が高く、1レースで発売する馬券で最もローリスクハイリターンが期待できる。人気薄の組み合わせなら1000万円を超える配当も過去に記録している。2004年に導入以降最も人気のある馬券で、売り上げ全体の約3分の1を占めている。
初心者にオススメする馬券は「単勝」か「複勝」
筆者が初心者向けの競馬教室の講師を務めたときには、単勝か複勝を勧めている。複数の馬を組み合わせる馬券は初心者がレースを見て判断するのが難しいからだ。1頭だけを選んで1着になるか、あるいは3着までに入るかを見るなら初心者の方でもレースを見ていて十分判断できる。何より的中したときの喜びを味わえる。馬券の的中は競馬の最もわかりやすい楽しさだ。
実はもう1種類馬券があるので、この機会に説明しておこう。
⑨WIN5 インターネット投票限定の馬券で、開催各場のメインレースを中心に5レースの勝ち馬をすべて当てる馬券。2011年に導入され、当初は最高2億円の払い戻しが受けられる馬券だった。2014年から最高6億円に引き上げられた。
これが現在、中央競馬で買える馬券のすべてだ。ちなみに同じ馬の単勝・複勝を同額購入できて馬券の券面に「がんばれ!」と印字される応援馬券もある。地方競馬では1着2着の枠番を順番に当てる「枠単」という馬券もある。
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