続・ダウンタウンはなぜ面白くなくなったか 日本はGDL(国民総爆笑)を高めよ

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 グローバル化の進展により、国の枠を超えて活躍する「グローバルエリート」が生まれている。しかし、そのリアルな姿はなかなか伝わってこない。グローバル エリートたちは何を考え、何に悩み、どんな日々を送っているのか? 日本生まれの韓国人であり、国際金融マンとして、シンガポール、香港、欧州を舞台に活動する著者が、経済、ビジネス、キャリア、そして、身近な生活ネタを 縦横無尽につづる。
エーゲ海で泳ぐグローバルエリート。クロールの速さは尋常ではないという。今回も休暇で滞在中のギリシャから日本のお笑いについて、緊急にコラムを寄稿してきた

 

さて、前回コラムはまたしても多くのご批判をいただいた。芸能界に敵をつくりまくってしまった今、グローバルエリートの芸能界進出の野望はすっかり絶たれてしまったわけだが、それにもめげずエーゲ海のかなたから、“ダウンタウンをはじめとした芸人の皆さんがなぜ面白くなくなっていくのか”の続編を書かせていただこう。

笑いの高齢化社会~つまらない芸能界

日本は世界有数の高齢化社会であるわけだが、同じ問題は笑いの世界にも起こっている。

実際の話、大抵爆笑させてくれるのは若い芸人なわけだが、そもそも彼らにとってはまだ笑いが人生でいちばん大切というステージなので、笑いにかける意気込みが違う。また彼らは“偉く”ないため面白くないとすぐに番組を解雇されるので、完全競争市場の緊張感の中で研ぎ澄まされたネタを出してくる。

これに対し一度固定ファンを獲得して重鎮化してレギュラーを多く持ち、参入障壁が築かれると、面白くなくても取り巻きが笑ってくれるため、いつぞやのとんねるず(最近、島田紳助に噛みついたという報道で、好きになってきたのだが)や今のダウンタウンのように、番組に出ているヒトや制作スタッフだけが笑い、テレビの前にいる人は誰も笑っていない、という惨状につながってしまう。なおこの手の“重鎮芸人”で面白い人はほぼおらず、年末の漫才コンペ番組などでも審査員として出てきている重鎮芸人自体、全然、笑えない人ばかりなのは皮肉な限りである。

たとえば関西に目を向けると、中田カウス・ボタン師匠はなぜ“若手の顧客層を対象とした”(高齢者向けの方も甚だ疑問だが)笑いのセンスがないのに、若手お笑い芸人のパフォーマンスを審査する側に座っているのだろう。若い観客を最も笑わせることのできる芸人が、若手芸人の審査や指導をすべきであり、シニア芸人の不要な口出しや介入が、“笑い産業”の発達の老害として立ちはだかっている。

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