カカクコム、超高収益企業が直面する「異変」 上場来初の「下方修正」、何が起きているのか
ただ、食べログもいつ成長の限界に達するかはわからない。グルメサイトの分野では、長年のライバルである「ぐるなび」「ホットペッパーグルメ」に加え、2010年創業のベンチャーが手掛け、実名制のレビューをウリにしている「Retty(レッティ)」など新興勢力も台頭している。
さらに店舗の評価点は食べログにおけるキラーコンテンツといえるが、この点にも懸念材料がある。
2016年秋には、従来飲食店に定額課金サービス(月額2.5万円~)の一環として提供していたオンライン予約機能を、定額サービスから切り出し、来店人数当たりの従量課金制(夕食は200円/人、昼食は100円/人)に改める「新プラン」を設定、各店への導入を進めた。
広まった悪評
ところが、ある飲食店の店主が「食べログのオンライン予約を使ってもらわないと検索の優先順位を落とす」と営業担当者に告げられたこと、時を同じくして自身が経営する店舗の評価点(5点満点)が3.0まで下がったことなどをツイッターに投稿、一気に悪評が拡散したのだ。
これに対し会社側は「表示される点数やランキングは、オンライン予約機能を利用しているかどうかに関係ない。点数が下がったのは同時期に全店を対象とするアルゴリズム(点数の算出方法)の変更を行ったため」と説明しているが、現在も事態が完全に沈静化したとはいえない。
今回の騒動は、今のところ業績に大きな影響を与えているわけではないが、こうした問題が続けば、同社の根幹をなす”口コミ”ビジネスが揺らぎかねない。
カカクコムの畑彰之介社長は、「主力の価格.comについては、消費財分野を中心に(スマホ対応も含め)ページの見やすさ、買いやすさをより重視していく施策を始めている」など、対策を説明する。
さらに、こうした事業に次ぐ柱として直近では、航空券やホテルなどを含むパッケージ予約に強みを持つ旅行情報サイト「タイムデザイン」や、賃貸物件検索サイト「スマイティ」など、新たな領域への進出を急いでいる。
ネット業界の超優良児だったカカクコム。主力事業の成長鈍化や信頼性の問題をクリアし、2ケタ成長は続けることができるのか。それとも下方修正は何かの予兆なのか。同社は今、大きな転機を迎えている。
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