楽天、トラベル社長交代は吸収合併の布石 ライバルはグローバル旅行サイト?

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彼らが浅草に行ったときに浅草の写真を撮る。でも、今はWiFiがないからホテルに帰ってWiFiをつないでからフェイスブックに上げよう……。いやそんなことはしないでしょう(笑)。

ならむしろ、WiFiルーターを宿泊施設が無償で貸し出してはどうか。月3000~4000円で持てるから、1日換算なら100円。しかもグループに1台でいい。1台のルーターを4人で持てば、全員がメールを読めるしフェイスブックにつながる。インバウンド客を、屋外でもネットにつないでしまう。

日本のよさは、外国人に発信してもらう

――政府予算をつけてもいいかもしれないですね。

スマホの力、そして消費者の威力は強い。SNSに上がった日本の観光写真の数がKPI(重要業績評価指標)として伸びていけば、自然と日本に来たくなる人は増える。それぐらいユニークな写真が多い。

日本は街を歩いていても腹が立つことが少ない、快適で楽しい国。身の危険も、困ることも少なく、それが世界では非常に珍しい。楽天トラベルの社員が自社の価値に気づいていないように、世界から見た日本のユニークさを日本人自身が認識しきっていない。

だから、外国人にアイフォーンで写真を撮ってもらい、フェイスブックに上げてもらうハードルをいかに下げるか。そうすれば、日本のよいところが世界中にグワーッと広がっていくだろう。

(山本考伸社長の写真は尾形文繁が撮影)
 

山川 清弘 「会社四季報オンライン」編集部 編集委員

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やまかわ・きよひろ / Kiyohiro Yamakawa

1967年、東京都生まれ。91年、早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。東洋経済新報社に入社後、記者として放送、ゼネコン、銀行、コンビニ、旅行など担当。98~99年、英オックスフォード大学に留学(ロイター・フェロー)。『会社四季報プロ500』編集長、『会社四季報』副編集長、『週刊東洋経済プラス』編集長などを経て現職。日本証券アナリスト協会認定アナリスト、日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト。著書に『世界のメディア王 マードックの謎』(今井澂氏との共著、東洋経済新報社)、『ホテル御三家 帝国ホテル、オークラ、ニューオータニ』(幻冬舎新書)など。

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