楽天、トラベル社長交代は吸収合併の布石 ライバルはグローバル旅行サイト?

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今は旅行を予約するサービスが主軸だが、「旅行に行きたくなるサイト」に進化させることが、差別化の一つだと思っている。お客さんからの口コミはホテル・旅館についてだけでなく、実は観光地についても集めている。これをデータマイニングすれば、「お客さんの口コミから見つける新たな旅館の楽しみ方」という特集をしたり、あるいは観光協会と組んで新たなコンテンツも作れるはず。

むしろ今後は、テレビ番組がライバルになる可能性がある。30分の旅番組に語り尽くせないことも、Webサイトだったらいくらでも掘っていける。

こうした切り口で実現したコンテンツの一つが「朝ごはんフェスティバル」(写真)だ。宿泊施設がエントリーした自慢の朝食メニューに対して、ユーザーが「食べたい」ものへ投票。楽天会員であれば誰でも投票でき、1人で複数投票も可能だ。今年は、当初のエントリー投票期間である2週間でWeb投票が177万票と過去最高を記録した。

たとえば、旅先で朝ごはんを楽しむことを切り口に企画したのが「朝ごはんフェスティバル」。「あ、これおいしそうだから食べに行きたいな」と思ったら、得票が伸びる。そこでは口コミ情報も集めており、実際に食べてガッカリしたら評価が下がるので、だますことはできない。

同様のコンセプトで「気持ちよかった温泉」とか、いろいろな切り口ができると思うし、新しい旅行の形を提案していきたい。

外国客にWiFiルーターを貸し出せば

――インバウンド(海外からの訪日客)を含め国内旅行は好調ですが、観光業界の課題は?

いろいろな言語への対応など、すぐには解けない問題もある。全施設で全言語に対応するのは難しいので、観光地のエリアごとに重点言語を絞り込んでみてはどうか。実際に来られる方の母国は偏っている。1施設で見ていると、よくわからなかったりするので、観光協会などと協力して、より大きなエリアで集中させてもいい。

もう一つ個人的に感じているのは、インバウンド客の使うスマホのデータ通信料が高いこと。ローミングフィーは、どの国からくるかで異なるが1日1000~2000円かかるケースが多い。だから通話だけ生かして、スマホのデータ通信を止める方が多い。ホテルではWiFiが通じていても、屋外に行ったら使えない。これは国として損だと思う。

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