楽天、トラベル社長交代は吸収合併の布石 ライバルはグローバル旅行サイト?
海外旅行の8割は自国から近い周辺国
――海外展開も加速しそうです。
楽天グループのeコマースやコンテンツを総合して「楽天経済圏」と呼んでいる。将来的には各国にこの経済圏を構築するのが理想だが、進出の順序などは現地の実情に合わせて柔軟に戦略を考えていく。
楽天トラベルの場合、日本人客向けに海外の宿の予約枠を「仕入れ」ている。シンガポールのホテルには、インドネシアやオーストラリアから来る人も泊まる、と考えれば進出はしやすい。あとは言語・通貨の問題と、現地でのマーケティングの問題。
ただし、進出範囲には制約がある。アジアの人が行っている旅行先はアジアが圧倒的に多い。日本人だって、これだけいろいろな海外に行っているといっても、ハワイからオーストラリア、東南アジア、中国、韓国までを円で囲ってしまうと、海外旅行全体の8割以上を占めてしまうのではないか。
だから、楽天トラベルの海外戦略も、アジア・太平洋圏内での(宿泊施設の)仕入れを横に伸ばしていく。
ライバルはじゃらん?エクスペディア?
――今後のライバルは、じゃらん(国内旅行に強い、リクルートグループの宿・ホテル予約サイト)よりエクスペディア(山本社長の古巣、世界最大のグローバルな旅行予約サイト)?
ライバルを名指しで挙げることはしない。が、楽天トラベルの強みを海外へも広げたいという意味では、グローバルな予約サイトが、ライバルになる。ただ、国内ユーザーに一番喜んで使っていただいているので、国内で一番使いやすくて、一番よいサイトにしていきたいという思いは変わらない。
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