楽天、トラベル社長交代は吸収合併の布石 ライバルはグローバル旅行サイト?
人事面でも対ユーザーでも、一体経営が有利
――なぜ今、楽天トラベルと楽天の完全統合を検討するのですか?
もともと別の会社(マイトリップ・ネット)を楽天側に併合することによって「楽天トラベル」というブランドでやってきたが、会員組織としては楽天スーパーポイントを提供していて共通。ポイントの連携に加えて、たとえば「この旅館に泊まった人にこういう本をオススメしよう」などの相互プロモーションもやっていったほうが、ユーザーの利便性が高まっていくと思う。旅館をお勧めする場合も、楽天のコンシューマー向けECサイト「楽天市場」でも紹介するし、それがメルマガにも波及する。グループシナジーの追求が眼目にある。
人材交流も同様。すでに新卒採用はグループで一括しているが、1社に統合されれば、他のビジネスユニット(事業部)の成功事例を楽天トラベルの事業部で積極的に生かしていけるし、逆のパターンもある。グループとしての一体経営を、組織上もクリアにしてシナジー、メリットをより享受できる体制にしようというメッセージだ。
統合によって何かできなくなることがあるとか、そうしなければできないことがあった、という後ろ向きな理由ではない。ユーザーから見ても、よりわかりやくなる。
社長含みの楽天入社ではなかった
――山本新社長は今年3月に楽天トラベル常務としてトリップアドバイザーから転身した(同時に楽天にも入社)。社長含みだったのか。
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