「自己肯定感」が低い人に現れる"残念な症状" 伸びる人と停滞する人の差にもつながる

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このようなときに自己肯定感を高めるためには、自分の感情と素直に会話をするためのテクニックが必要です。

感情に触れるテクニック

人は質問されるから思考します。そこで、自分に対して「本音ではどう思っているのか?」「今どんな気持ちか?」と問いかけるのです。メモをしながら行うといいでしょう。紙でもスマホでもかまいません。

もし不満足でイライラしている状態だったら、まるで他人に話しかけるように、

「私は頭にきている。とてもイライラしている」

と書き出します。

まったく感情が動かないと感じたとしても、これもまた冷静に

「まったく感情が湧かない。何も感じていない自分がいる」

と書き出してみます。

ネガティブな感情であったとしてもそれを文章に書き、それを改めて読むことで、自分の感情を客観的に見つめる訓練になります。

自分がどんな感情をもっているかまったくわからない場合は、選択肢から選ぶ方法もあります。感情には大きく分けて以下の7つがあります。

喜び:うれしい。すばらしい。楽しい。
安心:ほっとした。よかった。落ち着いた。
信頼:誇らしい。よくやった。さすがだ。
不安:恥ずかしい。心配だ。焦る。
驚き:びっくりした。予想外だ。こわい。
悲観:悲しい。悔しい。苦しい。
怒り:イライラする。腹立った。ひどい。

 

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このような感情のどこに当てはまるのか自分で考え、○をつけてみます。この時に、自分の感情に対して「よい」「悪い」という評価はしないでください。ネガティブな感情も「私は今そう感じている」と観察します。そうすることで、自分と向き合うことができ、心が落ち着いてきます。

日によって、状況によって、また体調によっても感情は変化します。職場環境も影響を及ぼすでしょう。よって自分は自己肯定感が高いからと安心するのは早計です。

自己肯定感が高い、低い人と安易に決めつけるのではなく、人にはいろんな状況があると理解して、まるでもう一人の自分が見ているかのように、「自分の心の変化を観察するクセ」をつけるようにするのです。そうすれば、どんな状況であっても自分を肯定的にとらえられるようになり、前向きな行動につながりやすくなります。自己肯定感を上げるための第一歩は、自分の心と客観的に向き合うことなのです。

(構成:黒坂真由子)

永谷 研一 行動科学専門家、発明家、株式会社ネットマン代表取締役社長

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ながや けんいち / Kenichi Nagaya

長崎大学講師、情報コミュニケーション学会理事。1966年、静岡県沼津市生まれ。学校や企業にITを活用した教育サービスを提供するパイオニア。校務・学習支援システム「Cラーニング」で全国の教育現場のDX化を推進。行動変容を促進するITシステムを考案・開発し、日米で特許を取得。米国でその功績が高く評価を受け、O-1ビザ(卓越能力保持者ビザ)が認められる。行動科学や認知心理学をベースに、1万5000人の行動変容データを検証・分析し、目標達成メソッド「PDCFAサイクル」を開発。多くの学校や企業の人材育成に採用されている。4人の子の父。著書は『1日5分 書けば明日が変わる できたことノート』『科学的にラクして達成する技術』など。YouTube(永谷研一チャンネル)、note(永谷研一@できたことノート&手帳

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