こだわる人向け「保温しない炊飯器」が新しい 人気バーミキュラは数カ月待ち

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ご飯のおいしさを追求し、土鍋や鉄鍋で炊く人も増えてきている。火加減の調整などは難しいが、ガスの大火力なら、短時間で香ばしいご飯が炊ける。中でも愛用者が多いのが、蓄熱性と密閉性の高い「鋳物ホーロー鍋」だ。

昨年末、この鋳物ホーロー鍋のメーカーである愛知ドビーが発売したのが、専用の鋳物ホーロー鍋と、IHを内蔵するポットヒーターを組み合わせた炊飯器「バーミキュラ ライスポット」(直販価格8万6184円)だ。

そもそも、メーカーの愛知ドビーは、織物機械「ドビー織り機」を鋳物で製造していた町工場。「バーミキュラ」は自社の持つ鋳物技術と精密加工技術に、ホーロー技術を組み合わせて作り出した独自開発の鋳物ホーロー鍋だ。

鍋炊きのおいしさを全自動で実現

「バーミキュラ ライスポット」(写真:愛知ドビー提供)

この鍋の利用者が炊飯に使っているという話がメーカーに届き、開発に3年をかけて、細かな火加減を行うことなくボタンを押すだけでツヤヤカで粒が立ったご飯が炊ける炊飯器が登場したというわけだ。

「バーミキュラ ライスポット」を開発するにあたっては、自社の鍋を使ってガス火で炊いたご飯を目指したとのことで、ガス火と遜色のない味と食感に出来上がっている。

実際に「バーミキュラ ライスポット」で炊いたご飯を食べてみたが、ツヤ、みずみずしさ、そしてシャッキリとした食感、甘みなど、ご飯をおいしいと思う要素がすべてそろっていた。間違いなく、最高レベルのご飯が炊ける炊飯器なのだ。

さらに「バーミキュラ ライスポット」が面白いのは、鍋そのそのものはガス火にかけて使える点。多彩なおかず調理にも対応しており、無水調理や低温調理などにも対応している。こだわりのご飯が炊けるだけでなく、無水カレーやローストビーフなども簡単に調理できるのだ。

なお、非常に人気が高いため、現在予約すると入手は4月下旬以降となるようだ。

今回紹介した3つの炊飯器は保温機能を搭載しない。しかし、保温機能がないからこそ、冷めたご飯でもおいしく食べられるのも共通点といえる。また、多くの炊飯器が搭載する圧力炊飯機能も搭載していないので、シャッキリとした食感に炊ける。甘さとやわらかさが際立つ圧力炊きの炊飯器とは一線を画しており、固めで粒感のあるご飯を好む人に向いていると言えるだろう。

便利さとおいしさを追求して、保温機能をカットした炊飯器。新しい炊飯器の1ジャンルになりそうだ。

コヤマ タカヒロ デジタル&家電ライター

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Takahiro Koyama

1973年生まれ。大学在学中よりカルチャー誌でライターデビュー。パソコンやデジタル機器、家電製品など電気が流れる機器と、それらにまつわるビジネスについてさまざまな媒体にて執筆活動を展開。得意分野は家電とデジタル機器がクロスする部分。また、米・食味鑑定士の資格も有しており、炊飯器など調理家電の評価・検証にはより力を入れている。

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