駅伝王者・青学の脅威となる知られざる2校

潜在力を秘めた1年と監督が結集する

現時点の戦力を考えると、青山学院大が来年の箱根駅伝で「4連覇」を達成するのは簡単ではないだろう。では、新たな“主役”となるのはどの大学なのか。筆者は東海大と中央学院大が面白いと見ている。東海大と中央学院大はともに1年生が主力のチーム。今回の箱根駅伝は1年生パワーが不発に終わったが、次回以降につながる貴重な経験を積んでいるからだ。

未来を見据えて戦った東海大と中央学院大

1~3区にルーキーを並べた出雲駅伝でトップを走った東海大は、箱根駅伝のエントリー(最大16名)に1年生を8人も登録。本番でも1区鬼塚翔太(区間2位)、2区關颯人(区間13位)、4区松尾淳之介(区間12位)、5区館澤亨次(区間13位)、6区中島怜利(区間8位)と、6区までに1年生を5人も起用する大胆なオーダーで勝負に出た。結果は6区終了時で15位(最終的には総合10位)。1年生パワーは炸裂しなかった。

このなかで明らかにミスがあったのは2区と5区だ。2区關は11月に胃腸炎と故障でトレーニングできない時期があったものの、両角速駅伝監督は、「彼のポテンシャルに頼ったところがあった」とエース区間に抜擢。關は目標タイムより1分ほど遅れて、レースの流れを止めてしまった。それでも、出雲3区で区間賞を獲得している走力と今回の経験がかみ合えば、来年は2区を区間上位で走ることができるだろう。

5区館澤も「最初から突っ込んで、粘るタイプ」(両角監督)が裏目に出た。予定よりもハイペースで入り、大平台(7.0キロメートル地点)までは区間トップも、後半に失速。「1時間12分台」も視野にあったが、1時間15分54秒と大きく遅れた。区間トップの記録が1時間12分46秒だったことを考えると、今年の失敗を生かすことができれば、来年は5区で区間賞争いを演じてもおかしくない。

今季は全国高校駅伝(2016年)のエース区間である1区で1、2、4、5、6位を占めた關、鬼塚、館澤らが入学したが、来季も全国高校駅伝1区で1~3位に入った名取燎太(佐久長聖高)、塩澤稀夕(伊賀白鳳高)、西田壮志(九州学院高)ら有力ルーキーが加入予定。対して箱根メンバーで卒業するのは2名(7区石橋安孝、10区林竜之介)だけで、来季の構想はかなりできあがっている。

中央学院大は出雲と全日本で活躍したルーキーを箱根でも主要区間に起用。2区高砂大地(区間15位)、3区横川巧(区間12位)、9区藤田大智(区間12位)の3人だ。区間順位は伸びなかったものの、個々の状況を考えると来年への期待感は十分にある。2区高砂は2週間前に体調を崩した影響もあり、今回は状態が良くなかった。3区横川は攻めの走りが持ち味で、茅ケ崎(14.3キロメートル地点)まで区間トップ。9区藤田は他校の主力選手と互角に渡り合い、順位をキープしている。

中央学院大は総合6位という結果を残しているが、そのなかでMVPともいえる活躍を見せたのが5区の細谷恭平(3年)だ。細谷は夏に右中足骨を疲労骨折して、出雲と全日本は欠場。実践的なトレーニングができるようになったのは12月からで、上りの練習だけに特化して取り組み、天下の険に挑んだ。箱根湯本(2.5キロメートル地点)の通過は20番目も、本格的な上りが始まると強さを発揮する。

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