――また失礼ですけれど、僕はベリーダンスにエロを期待してしまいます。間違っていますか。
古瀬:ベリーダンスのもともとの使われ方はそうですね。お客さんの近くまで踊りながら寄って行って衣装にチップを挟んでもらったり。
でも、私たちはストーリーと演目がある群舞のショーを提供しています。きちんとした舞台としておカネをいただく方向を目指して頑張っているので、レストランなどからの出演依頼は基本的に受けていません。
大宮さんのようにベリーダンスのことをちゃんと知らない方は多いですよ。これだけみんな楽しく頑張っているんだから、もうちょっと(世の中に)知れわたってもいいですよね。だから、ベリーダンスはどれだけでも伸びしろがあると思います。
実際、ベリーダンスは今、熱いんです。サンバに比べると露出が少ないし高い身体能力も求められないので、40代~60代の女性に人気があります。子育てが終わって自分に投資ができるようになって、もう1回人生を楽しもうとしている世代ですね。先生も生徒も山のようにいますよ。
うちはサンバのレッスンも行っているので、ベリーダンスからサンバに興味が移っていく方もいます。今後はラテン部門を強化していきたいです。
豊橋は「惑わされない」場所
――15年前に比べると、豊橋は活気がないみたいですね。それでもこの街で商売を続けていくのはなぜでしょうか。
古瀬 豊橋以外で(商売を)やったことがないので、ほかの場所のことはわかりません。でも、三河地方では私たちと同じようなことをやっている人がいないので、雑音が入らなくていいですよ。すごいライバルがたくさんいる東京でやっていたら、いろいろ惑わされたり、周りと比べてしょんぼりしていたかもしれない。
私はやりたいことが自分の中にいっぱいたまっています。それを舞台などのビジュアルで表現していきたい。豊橋は惑わされない場所です。
町の文化度は物販店の「深さ」でわかる、という話を聞いたことがある。誰が買うんだろう?と思うようなマニアックなモノを売っている専門店が成り立つような町には、個性的な人が集まっているに違いないからだ。ベリーダンスの衣装販売で着実に顧客を増やしているボヘミアンローズが豊橋にあることはうれしい。
江戸末期に「ええじゃないか」の集団乱舞が起きたのも豊橋が最初らしい。ダンスで街を再生することができるかもしれない。
個人的には、「自分たちが楽しいと思うことをやり、自己満足に終わらせずにみんなを仲間にしていく」という2人の姿勢に励ましを覚えた。面白がる気持ちとサービス精神があれば、どこでも生きていける気がする。
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