――いきなり失礼ですけど、この場所でビジネスとして成り立っていますか?
古瀬:大変ですけど、10年間で毎年少しずつ売り上げは増えていますよ。豊橋と蒲郡の2つの店とネット通販による物販で売り上げの8割を占め、残りはレッスン料やイベントの収益です。お客さんは名古屋や岐阜、静岡からも豊橋に足を運んでくれます。3年前にネット部門を強化したことも、商売を続けられている理由だと思います。
「楽しい」と思ってやっていれば、みんな来てくれる
自分たちが楽しいと思うことをやっていれば、みんなが来てくれると信じるしかないですね。景気はあてにしません。無理やりにでも盛り上げていれば、「楽しそうね」と価値を感じてくれる人が集まってきて、結果としておカネを払ってくれます。
私は「とりあえず」の規模で終わらせたくない。ビジョンを実現するにはおカネも人員もまだまだ足りません。たとえば、7月14日にPLAT(穂の国とよはし芸術劇場)で「ワールドダンスカーニバル」というショーをやります。プロのダンサーも招いて、レッスン生も参加して、多くの人に見てもらいたい。「ダンスをすることは人生を楽しくする!」と伝えていきたいのです。
福井:ショーでスポットライトと拍手を浴びると、やみつきになりますよ。私たちは非現実的な体験を自信を持って提供しています。
うちでつねにいちばんモチベーションが高いのが(代表の古瀬)由美子さん。そのすごいエネルギーをつかみながら現実化していくのが私たちです。自分たちだけではなく、見ている人も含めて一緒に楽しめるようにしていきたい。しょげている人もとりあえず仲間になって、由美子さんのキラキラオーラを浴びちゃったら、悩みも吹き飛ぶかもしれませんよ。
お客さんも仲間なので、店頭で接客販売しているときも「仕事なんだけど仕事以上のもの」をしている感覚です。女ばかりの職場だけど、派閥なんてありません。服装や休暇などの規則もない。こんなにいい職場がほかにあるのでしょうか? 自由であるからこそ自発性や責任感が必要なので、ある意味では厳しいかもしれませんけどね。
――福井さんと古瀬さんは幼なじみらしいですね。最初から一緒に起業しようと決めていたのですか?
福井:いえ。高校3年間まで同じクラスで仲良くしていましたが、卒業したら由美子さんはアメリカへ留学に行きました。私は名古屋の専門学校を出てから家具のデザインをする会社に入って、すぐに辞めて建築系の資格学校に転職。受付業務をちんたらやっていました。
このビルの上階にあった豊橋校で働いていた頃、由美子さんが地下でインポートファッションのお店を始めました。「うちに来てよ。一緒にやろうよ」と誘ってもらって、資格学校とかけもちで働き始めたのがきっかけです。同じビル内だから移動が楽ですから(笑)。資格学校と比べると、多種多様なお客さんが来るなーと思いました。
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