藤野 まあ、それは中国の国内事情なんだけど、国際的に考えていくと、この先、私たちはある種の踏絵を踏まされることになるかも知れませんね。
中野 踏絵?
中国への金融支援という「踏み絵」の可能性も
藤野 今、日中関係って決して良い状態ではない。で、たとえばシャドーバンキング問題などで中国の金融不安が顕在化した時、世界の金融システムを守るという目標があるとはいえ、果して日本は中国に対して金融支援を行うことができるのかどうか、という踏絵ですね。
中野 それは無理だと思いますよ。もちろん中国が完全な資本主義国で、政治も民主主義というのであれば、金融支援の道も開かれていると思いますが、現状、中国の政治体制は共産党一党独裁ですよね。中国に対する悪感情を抜きにしたとしても、資本主義から非常に遠い政治を行っている国に対して、金融支援を行うということ自体、想像すらできない。
藤野 まあ、いずれにしても中国にコミットするということが、オポチュニティからリスクに変わってきたという印象はあります。
渋澤 でもね、中国という国そのものが消滅するわけではないよね。確かに金融不安、バブル崩壊といった問題は出てくると思うけど、13億人の人口を抱えている国の経済を侮ることはできないと思うよ。中にはしっかり利益を上げる企業もあるのだから、特に投資をする人の場合は冷静に考えた方が良いかも知れないね。
中野 そこはまさにアクティブ運用のオポチュニティですね。でも、中国は開かれた体制にはなっていないところが怖い。ダメになる時は、体制も含めて、すべてがダメになる恐れがあります。
渋澤 でも、逆に考えると一党独裁だからこそ、トラブルには強いと考えることもできるんじゃないかな。日本はバブル崩壊後の金融不安を非常に長い間、引きずったけれども、中国はあっという間に片づけるかも知れない。
藤野 だから「ハレンチ男」のようなスケープゴートが必要になるということですよ。
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