日本の中国関連株への影響も注視せよ
中野 これからの中国経済に関して言えば、7%成長の維持が可能かどうかと言われていますが、これ、私たちの資本主義経済における7%成長と同じに考えない方が良いと思うんですね。貧富の格差が激しい中国においては、恐らく7%を割り込むことになると、本当に食べられない人が大勢出てくるんだと思います。すでに経済成長率は7%を割り込んでいるという話もありますよね。
藤野 4%という声もありますね。
中野 そうなると底辺からの暴動が勃発します。加えて今回の問題は、理財商品を中国の中でも比較的裕福な人たちが買っているということです。もし理財商品がサブプライム証券化商品のような事態に直面したら、底辺の人たちばかりではなく富裕層にも悪影響が及んでくる。そうなったら、暴動の波が内陸部だけでなく湾岸部にも押し寄せてくるでしょう。そうなった時には、共産党一党独裁という現在の政治体制が大きく崩れる恐れがある。確かに13億人のパワーはあると思いますが、こうした政治リスクには十分注意した方が良さそうです。
渋澤 とはいえ長期投資で考えるなら、パニック的な売り場は逆に買い場だとも言えると思うな。成長率の鈍化は気になるけど、日本に比べれば成長ののりしろは大きいでしょう。
中野 13億人の民が生活していますからね。相応の需要はあると思います。そのなかで中国に投資するとしたら、インデックスではなくアクティブですね。最後に藤野さん、中国経済の日本株への影響は、どう考えているんですか。
藤野 日本の株式市場について言えば、感情的に中国と関わりの深い企業は売られるかも知れない。だから、しばらくは中国経済の影響度合いが低い銘柄にポートフォリオをシフトさせるのも手かなと・・・・・・。ITなんて、それほど中国ファクターの影響を受けないから、ちょっと注目しています。
中野 中国はしばらくリスク要因だから、国内外を問わず投資している人は、中国経済の行方を注視しておく必要はありそうですね。
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