2017年は1ドル130円まで円安が進む可能性 日経平均は2015年の高値2万0952円突破も

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すでにドル円相場は、1ドル110円台半ばで推移しているが、2017年に円安ドル高がどの程度まで進むかは、2017年中にFRBが政策金利であるフェデラル・ファンド金利(FF金利)を何回引き上げて、これまでの金融緩和をどの程度弱めるかに依存するとみている。FOMC(米公開市場委員会)に参加しているメンバーの主流派の中でも、年2回あるいは年3回の利上げで見方が分かれている。

ただ、利上げを断続的に続ける必要性が高いとはイエレン議長などは依然考えていないだろう。そして、2017年に投票権を有するメンバーは、2016年よりもハト派寄りのメンバーが多い。すなわち、2016年と同様に、景気の下振れた海外動向のリスクを慎重に勘案しながら利上げの判断を行う。2016年に起きた、中国ショックやBrexit(英国のEU離脱)のようなショックで金融市場が混乱したり、海外経済の減速リスクが高まることになれば、FRBはリスクをとってまで利上げを行わないだろう。

外的ショックがなければFRBの利上げは「年3回」

2017年も、そうした局面が年に1~2回は訪れるかもしれない。ただそれを除けば、つまり少なくとも年間に2回程度のペースでFOMCは利上げを行うだろう。そして、外的ショックが発生しなければ、2017年には現段階でFOMCメンバーの最多数が想定している3回の利上げの可能性が高いと筆者はみている。

というのも、米国の成長率が2016年までの2%から上振れ、インフレ率が2%の目標水準を上回れば、四半期に1度の節目のFOMCで利上げを先送りする理由は少なくなる。

実際には、米国の経済成長率が上振れるかどうか次第であり、トランプ次期政権の政権転換でそれが実現するかどうか。また減税がどの程度、いつから実現するのか。さらに、拡張的な財政政策がしっかり実現するかどうか。トランプ相場が持続するかどうかは、これらに尽きる。

筆者は、米経済は減税などが一定程度の効果を発揮して成長率は年3%近い成長が続き、失業率の低下は途切れず、そしてインフレ率も2%を超える伸びに2017年内に高まると予想している。

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