日本株を吊り上げている「投機家」の正体 日経平均を短期的に押し上げる勢力がいる

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日経平均を意識的に上げようとする勢力が目立ってきた。ここから相場は荒れるのだろうか(写真:utsuko / PIXTA)

「トランプラリー」が止まらない。米国の主要3指数(NYダウ、ナスダック、S&P500)はすべて史上最高値を更新中だ。また、史上最高値とはいかないが、12月9日、日経平均株価も1月4日のザラ場(取引時間中)ベースの年初来高値1万8951円を上回り、昨年12月以来となる1万9000円台を一時回復した。

イタリアの銀行問題がかすむほど相場は強い

足元ではドル円が115円台をつけていることから、ドル建て価格での日経平均を見ると景色は異なるが、怒涛の6日続落でスタートした今年の日経平均は、ついにここへ来てV字(どちらかというとU字か)回復を果たしている。

ただ、先週末の日本株の動きは、これまでの物色状況とはいささか異なる感じがする。日経平均に対する寄与度が大きいファーストリテイリング(ファストリ)が妙に買われ、TOPIX(東証1部株価指数)が相対的に伸び悩んだ。もし、日経平均先物(225先物)を手掛ける短期筋が指数の押し上げに動いているのであれば、指数先行の地合いとなりこれからの相場は一段と乱高下する可能性がある。

ここで、先週の相場をざっと振り返ってみよう。イタリアの国民投票は、予想通りの否決となったが、市場に与える影響は限定的だった。筆者は当欄で6月の英国によるBrexit、11月のトランプ次期米大統領の誕生で市場が混乱したことを受けて、「二度あることは三度ある」の発想でイタリア政治リスク発生による日経平均の大幅下落を想定した(正確には下落して、その後は急速に戻すと予想した)。

その結果、日経平均は一時的に下落したものの、1万8000円を割るどころか、一時1万9000円台を回復。欧米株も強い動きとなった。「二度あることは三度ある」のことわざは、どうやら筆者の予想が外れることを示唆していたようだ。

欧州が決して無風だったわけではない。欧州中央銀行(ECB)は、イタリア大手銀行のモンテ・パスキの救済計画完了延長を拒否したことで、同社株は10.5%急落、イタリアFTSE指数も下落した。だがこうしたことも飲み込むほど、相場は強い地合いとなっている。

欧州版のいわゆる恐怖指数である「VSTOXX指数」が16台と今年最も低い水準で推移していることから、市場はかなり楽観的になっているといえよう。

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