日本株を吊り上げている「投機家」の正体 日経平均を短期的に押し上げる勢力がいる
とにかく「トランプラリー」はリスク要因など関係ないというほどのエネルギーだ。強いトレンド相場の前には、高値警戒を示すオシレーター系(逆張りの指標)のテクニカル指標などは、いまや完全敗北といった状況だ。
「値がさ株」を意識的に上げる動きに?
前述の通り、日本株はこうしたやけに強い地合いの中で、違和感のある相場展開となった。9日は12月限オプションや先物の特別清算指数(SQ)を算出する特別な日だったことが影響したのかもしれないが、日経平均の寄与度が高いファストリ(寄与度8.6%)、ファナック(同4.1%)の上げが目立った。
実は、指数寄与度の高い銘柄を集中的に売買することによって、日経平均を引き上げ(引き下げ)ることは理論的に可能である。このような動きは、SQ週の前半などによく見られる。オプションに絡んだ売買が背景にあるのだが、SQ算出後にこうした動きが入ることは稀だ。
先週は、前出の2銘柄だけでなく、同じく指数寄与度が高いソフトバンクグループ(寄与度4.7%)の上昇も目立ったが、これは、孫正義社長がトランプ次期米大統領と会談を行い、積極的な投資を行うといった材料があったからだ。
一方、9日のファストリ、ファナックは目立った売買材料は観測されていない状況下、買い優勢の展開となっている。こうした日経平均に寄与度が高い銘柄が買われたことから、TOPIXの上昇率(+0.84%)よりも日経平均の上昇率(+1.23%)が上回る格好となっている。買い材料のあったエーザイ(寄与度1.3%)が大幅高となったことも影響しているが、寄付きの段階からいびつな相場展開となっていたことは市場関係者の間でも話題となっていた。
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