フォロワー1700万人!トランプ氏のツィッターの読み方
このところ朝起きていちばんにチェックするのは、ドナルド・トランプ氏のツイッターアカウント(@realDonaldTrump)である。「今日は何を言っているんだろう…」とそのたびに戦々恐々の気分になる。フォロワー数は本稿執筆時点で1694万人。先月、筆者がフォロワーになったときは1530万人であったから、ただいま急増中ということになる。
12月3日には、「今日、台湾の総統から大統領当選を祝う電話を貰ったぜ。ありがとう!」(The president of Taiwan CALLED ME today to wish me congratulations on winning the Presidency. Thank you!)と発信した。次期合衆国大統領ともあろうお方が、台湾の蔡英文総統と電話で直接話をする。これは北京から見れば、「ひとつの中国」原則に対する挑戦であり、「中台関係の現状を変更する試み」となる。トランプ氏は、中国共産党という虎の尾を思い切り踏みつけたのである。
ところがトランプ氏、すぐ後にこんな人を食ったコメントを続けている。
「台湾には何十億ドルもの武器を売却しているというのに、お祝いの電話を受けるべきじゃないという理屈は面白いね」(Interesting how the U.S. sells Taiwan billions of dollar of military equipment but I should not accept a congratulatory call.)
誰かが「殿、それはなりませぬ!」と慌てて駆け込んだのに、「そんなこと、俺は気にしないもんね」とすっとぼけてみせた。いやもう、「アメリカ・ファースト」の大統領になるわけですから、外交の前例を無視するくらいはご無理ごもっとも。こういうのを「知らない強み」と言うのかもしれない。
だが、これは確信犯と見るべきだろう。おそらくは共和党内の親台派が、用意周到に米台間の電話会談を仕掛けたものではないか。中南海は上へ下への騒動になったはずである。
こんな手を使えるのであれば、「中国製品に45%の関税をかける!」などと乱暴なことをする必要はない。しかもトランプ氏は翌日には、「中国は人民元を安めに誘導したり、南シナ海に巨大な軍事施設を作ったりしてケシカラン」などとうそぶいている。次期大統領の日々の「つぶやき」は、文字通り世界を震撼させているのである。
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