日本株で儲けるには日経平均だけを見るな 外国人投資家の「本気度」を読むツボがある

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日本株は急落懸念も指摘されるが、カギを握るのは外国人投資家。「本気度」がちらりと見える「数字」がある(写真:kikisorasido/PIXTA)

今の市場は「個人の売りVS外国人の買い」が鮮明

先週(12月19-22日)の日経平均株価は週間ベースでわずか0.14%の上昇となった(22日の終値は1万9427円)。11月上旬からトランプラリーがスタートして以降7週続伸だが、さすがに上値が重くなっている。

一方、NYダウは2万ドル手前でもたついているほか、英FTSE100、独DAXも上昇率1%未満と勢いは弱まっている様子だ。さすがに1カ月以上、調整らしい調整が入らない上げ相場が続いていたことを考慮すると、こちらも「上げ一服」となるのは当然かもしれない。市場では急落を警戒する声が日に日に高まっている。しかし、筆者は投資家の売買動向に変化が見られない限り、日本株のしっかりとした推移は続くと予想する。

まずは、東京証券取引所が発表した12月16日時点の投資部門別売買動向を確認してみよう。この週も、個人投資家が4823億円売り越した。一方、証券(自己売買部門)が6301億円買い越しているほか、外国人投資家も2534億円買い越し(いずれも先物と現物の合算)。

証券は売り買いの方向性に一貫性はないが、個人投資家はトランプラリー開始の11月7-11日の週から6週連続で売り越している(合計2兆0535億円)。対照的に外国人投資家は6週連続で買い越しており、合計金額は3兆5353億円。まさに個人投資家の売りVS外国人投資家の買いといった構図となっている。

一般的に個人投資家は「逆張りスタンス」(上昇局面で売り、下落局面で買い)が多く、外国人投資家は「順張りスタンス」(上昇局面で買い、下落局面で売り)の傾向が見られる。ボックス相場では、個人投資家主体の相場展開、トレンド相場では外国人投資家主体の相場展開となりがちだ。現在の相場展開は、トレンド相場のため、まさに外国人投資家の独壇場となっている。流れに乗り損ねた個人投資家は(国内の機関投資家も)、日本株の調整を待ち望んでいることだろう。

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