2017年に勝率が高くなる「株式投資法」とは? 大波乱だった「2016年相場」から得られる教訓
2016年のマーケットも残すところ、あとわずかになった。今年を振り返ると、年初からいきなり株価が大きく下落し、ドル円が急落して円高となるなど、2015年の市場動向を覆すかのような動きになった。
2016年前半の円高ドル安は予測可能だった
それまで強気な見方が支配的だっただけに、市場参加者もこの動きについていくことができず、きわめて厳しい下げになった。2016年前半のこれらの動きは、市場では意外感をもって受け止められたが、日本株とドル円についてはそれまで3年間も上昇していただけに、下落しても全くおかしくはなかった。
特にドル円は基本的に3年間円安が続くと、翌年以降は下落する傾向が明確であり、むしろ上昇すると考えることに無理があったといえる。ドル円と連動性が高い日本株についても、ドル円が下落するのであれば、当然のように高値を更新するのではなく、むしろ調整が入ってしかるべきだった。結果的に、日本株は下落した。また、2016年前半の下げ方は急ピッチではあったが、下落という方向性と、その下げ幅自体は十分に予測可能だったといえる。
しかし、問題はその後である。下げ方が急ピッチであったことや、過去の下落率などを考慮すれば、年央にはすでに十分に下値に到達していた。本来は順調に下落し、年末にかけて付けると想定していた安値が年央になる前にすでに達成していたこともあり、その後はドル円も日本株も下げ渋る展開となった。
もちろん、夏前後には昨年のような「チャイナショック」への警戒や、ドイツ銀行やイタリアの銀行問題など、金融市場の不安定要素に目が行き過ぎ、さらなる下落を見込む声も少なくなかった。
また、米連邦準備理事会(FRB)による利上げ時期をめぐり、市場の警戒感も強かった。これが上値を買いづらいとの見方につながり、株価低迷の一因となった。6月23日には英国の欧州連合(EU)の離脱に関する国民投票が実施されたが、予想に反して英国民が離脱を選択するなど、波乱が起きた。この結果、ポンドが対主要通貨で暴落ともいえる下げを演じ、株価もそれに連れるように急落した。
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