2017年に勝率が高くなる「株式投資法」とは? 大波乱だった「2016年相場」から得られる教訓

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このように振り返ると、年初に大きく下落したことが、その後の弱気な見方を増幅させる要因になったといえる。すでに1年間で想定していた値幅を達成していたにもかかわらず、このバイアスから抜け切ることができなかったことは、大いに反省すべきである。

ただし、年前半の下げや値幅については、ほぼ結果に添った形で予測できていたわけであり、すべてを嘆く必要はないと考える。それでも年後半、とりわけ今年最後の反騰局面を見逃したことは残念である。

このように考えると、やはり予測することは極めて難しい作業だと痛感する次第である。材料を探し、シナリオを整え、それを予測に結び付ける作業が簡単ではないことは、毎年いつも市場に教えられることである。その意味では、きわめて貴重な経験ができた1年だった。

「ドルコスト平均法型」の投資がますます盛んに?

一方で、2016年については、興味深い事実について理解しておく必要がある。たとえば、日経平均株価に毎月末に同じ金額を単純に投資した場合(いわゆるドルコスト平均法)、現時点でのリターンは14%に達する。ダウ平均株価についても約11%のリターンが出ている計算になる。このように考えると、単純な投資だけでも十分なリターンを得ることができたのが、今年の株式市場だったといえる。

世界的にヘッジファンド離れが顕著になる中、このような投資法でリターンが得られる事実を知ると、今後も主要株価指数などに投資する単純な投資が拡大し、その結果、株価指数が下げにくくなるといった現象は、今後ますます強まる可能性がある。

もしそうであれば、投資資金の一部について、このような運用を行うことは、理にかなっているといえる。一方で、自己判断で投資を行いたい投資家は、このようなシンプルな投資を加えながら、サテライト戦略としてヘッジファンド的なマクロ運用をするのもいいかもしれない。この点については、機会があれば詳しく解説することとしたい。さて、2017年の市場はどのよう動くだろうか。次回(12月最終週予定)は、ぜひ2017年について考えてみたい。

江守 哲 コモディティ・ストラテジスト

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えもり てつ / Tetsu Emori

1990年慶應義塾大学商学部卒業後、住友商事入社。2000年に三井物産フューチャーズ移籍、「日本で最初のコモディティ・ストラテジスト」としてコモディティ市場分析および投資戦略の立案を行う。2007年にアストマックスのチーフファンドマネージャーに就任。2015年に「エモリキャピタルマネジメント」を設立。会員制オンラインサロン「EMORI CLUB」と共に市場分析や投資戦略情報の発信を行っている。2020年に「エフプロ」の監修者に就任。主な著書に「金を買え 米国株バブル経済の終わりの始まり」(2020年プレジデント社)。

 

 

 

 

 

 

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