金利上昇の「マイナス効果」をどう評価する?
トランプ氏が予想外の当選をしてから、さらに予想外の株高・円安が生じてマーケットに勢いがついた。これで多くの投資家がこの年末に多かれ少なかれ「幸せな感じ」を抱いているのではないだろうか。
ご存知の通り、日本株は、円安が株高に直結する。トランプ当選後に瞬間101円台を付けたドル円の為替レートだったが、その後改心したように切り返して、本稿執筆時点では117円台だ。黒田日銀総裁は、年初の水準に戻っただけでたいした円安だとは思っていないと記者会見で述べたが、投資家にとっては、相当の変化だった。
FRB(米国連邦準備理事会)が12月に予想通り利上げしてくれたことで無事にドル高が進んだ。米国の各種の経済指標は、いずれも利上げを正当化できる程度に好調だったこともあり、NYダウもその後、高値を更新している。
投資信託などに投資している方の場合、日本株を持っていても外国株を持っていても、この間「十数%、儲かった!」という状態の方が多いだろう。とんでもない「暴言エロ・オヤジ」だとトランプ氏を警戒・軽蔑していた人の中にも、今や、トランプ氏が神々しく見える方がいるのではないか。
来たるべきトランプ政権の実情はまだ分からない。だが、今のところ、奇矯なトップを戴きつつも、「親ビジネス」の案外普通の共和党政権になりそうだ。
さて、「トランプ次期大統領は、親ビジネスだから、株式投資には強気でいい」と素直に考えていていいのだろうか?
FRBの利上げはドル高・円安もたらした訳だが、一つ気になることがある。今回、日本の株価は円安に対する反応が「鈍い!」と感じないだろうか。これまでなら、1円の円安が2百数十円くらいの日経平均の上昇につながっていたのだが、ここのところ反応が鈍い。
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