「自分より優秀な人間」だけ採用するべき理由 「器の大きい面接官」の選抜に全力をかけよう

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身のまわりで自分より優秀だと思う人はいますか?(写真:KAORU / PIXTA)
私はコンサルティング会社に在籍した12年以上にわたる期間、大企業・中小企業をあわせて1000社以上を訪問し、そこで働く8000人以上の人々を見てきた。
マスメディアや本、ネットには「偉大な成功者たち」のエピソードが数多く並んでいるが、長く働くうち、「偉大な成功者たち」に関するエピソードよりも、身のまわりにいる、普通の人々に学ぶことのほうがはるかに多いことがわかった。だから、私の紹介する話は普通の方々が悩んで出した結論や、必ずしも成功とは言えない体験談、現場での素直な感想などである。
一度に大きな変化を起こすことは誰にもできない。何かを成し遂げようとするならば、それなりの準備や時間をかけて物事に取り組む必要がある。この連載の目的は、そのような方々の一助となることである。

 

人を採用することに関して、本田宗一郎氏の含蓄のある言葉がある。

どうだね、君が手に負えないと思う者だけ、採用してみては ── 本田宗一郎

 「言うは易く行なうは難し」の見本のような言葉だ。本田宗一郎は「自分の手に負えない者」こそが優秀で採用したい人物と言っている。本田宗一郎の器の大きさを表す話だ。

本田宗一郎のこの言葉は、採用の本質を突いているが、この採用方法は普通の人には実行が難しい。ほとんどの会社は「手に負えない人」を採用しないため、社員以上のレベルの人は、その会社に来ない。能力の高い人物が採用できないのは、自分たちの器が小さいからだ。

「面接官の人選」が大事

だから、実際には「器の大きい人物」が面接官にならないかぎり、その会社の平均以上の人材すら、確保するのが難しいのである。さまざまな会社で採用活動を見たが、応募者を見極めてやろうと言っていた面接官が、その実、応募者に見切られているなんてことは枚挙にいとまがない。

したがって、採用活動をうまくやろうと思えば、まず「面接官の人選」が一にも二にも大事である。

では、「器の大きい人物」をどのように判定すべきだろうか。

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