「自分より優秀な人間」だけ採用するべき理由 「器の大きい面接官」の選抜に全力をかけよう
「自分より優秀……ですか?」
「そうだ」
役員は苦笑して、「まあ、お世辞ではないですが、社長、あとは◯◯さんです。」と答えた。
「◯◯さんか、なるほど。まあ、役員のなかでは確かに頭抜けて優秀かもしれないな。ちなみに理由を教えてくれないか? ……うん、ありがとう」
そして、面談は終了した。
面接官に変なプライドは邪魔だ
その後、2人ほどの役員とリーダーに同じような質問をし、3人目の面接となった。彼はリーダーであったが、次期役員候補と目される人物であった。
最初の役員と同じような質問が社長から投げかけられたあと、最後のお決まりの質問となった。
「では、最後の質問をいいかな? 誰を面接官にすべきかの参考にしたいので、身のまわりで、自分より優秀だと思う人を挙げてみてくれ」
そのリーダーは、ちょっと考えていたが、やがて口を開いた。
「まず◯◯さん、洞察力と、営業力がすばらしいです。続いて、◯◯さん、営業力はあまりないですが、人望があり、人をやる気にさせる力がずば抜けています。リーダーの◯◯さん、現場をまかせたら社長よりもうまいでしょう……すみません。そして、うちの部の◯◯さん、新人なんですが、ハッキリ言って私よりも設計する力は上です」
社長はニコッと笑って、「ずいぶんと多いな」という。
「当たり前です。皆、私よりもいいところがあり、そして、私に劣るところがある」
「わかった。ありがとう」
役員が退出し、私と2人きりになり、社長は誇らしげに言った。
「というわけで、面接官はアイツに決定だな」
「そういうことですか」
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